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00:30岡山県備前市のとあるカンパニーが長年使った伝統技術を駆使して生み出したこの粉が想像もつかなかった用途で活躍し始めているのです一体どんな効果があるのでしょうこの粉は地元で採れるろうせきを砕いたものかつては紙に混ぜて美しく仕上げる役割を果たしてきましたしかし時代の波にのまれ市場は
00:59急激に縮小そんな危機の中予想もしなかった可能性が浮かび上がったのですこの微細な粉がスポーツの世界で新たな役割を果たすことになるとは
01:23あれです楽しいやん
01:25今回は地場産業を守るため新たな分野に挑戦したカンパニーのそうだったのかに迫ります
01:33岡山県南東部美善市吉永町
02:00この地には受け継がれてきた伝統技術があります
02:06山陽クレー工業
02:10漏石を粉砕し漏石クレーと呼ばれる微細な粉を生み出すカンパニーです
02:16漏のような滑らかさと光沢を持つこの鉱石は国内で数箇所でしか採掘されず
02:26美善市はその最大級の産地として知られています
02:30かつては耐火レンガの材料だった漏石ですが紙にすき込むことで滑らかな質感を生み出しインクのにじみを防ぐことで美しく鮮明な印刷を可能にしました
02:45しかしこの効果を最大限に発揮するには極限まで細かく砕く必要があります
02:54その大きさは
02:57それは1ミリの千分の5というまさにミクロの世界
03:08分かりやすく例えると1ミリがバスケットボールの大きさだとしたら
03:14ゴミクロンはその表面についたほんのわずかな粉塵ほどのサイズです
03:20それほどまでに細かく漏石を粉砕するには一体どのような技術が必要なのでしょうか
03:32なんとその製法は1940年の創業以来
03:36ほとんど変わることなく受け継がれているのです
03:39使用される機械も当時のまま今もなお稼働し続けています
03:49伝統の技が生きる工場の中を早速覗いてみましょう
03:54直径1.8メートル
04:01重さ2.5トンもの巨大なミカゲイシを回転させ
04:05漏石を押しつぶしながら粉砕していきます
04:08一度粉砕したものが横の溝を通ってこちらの方に入ります
04:15こちらで回転数を見ていただくとこちらの方が遅いと思います
04:20だからもう一度ゆっくりと粉砕し直しているという
04:25砕いた粉は水槽へと運ばれ
04:29微細な粉を生み出すための重要な工程が行われます
04:33実はこの水の力を利用して細かい粉と粗い粉が自然に選別されているのです
04:41水槽をガラスコップに置き換えるとイメージしやすいかもしれません
04:47重く粗い粉は底に沈み軽い微細な粉は上に浮かぶ
04:55カンパニーはこの上澄みの極めて細かい粉だけを取り出し
05:00製品として仕上げているのです
05:03ここに今出てる上澄みが細かいほぼ製品部分です
05:09取り出した粉の余分な水分を切っていきます
05:16しかしここで火を使った乾燥は行いません
05:25白さを保つためおよそ1月半もの時間をかけ
05:33じっくりと自然乾燥させるのです
05:36こうして仕上がった粉は250倍のレンズでようやく確認できるほどの微細さ
05:49わずか5ミクロンまさに5ミクロの世界です
05:55カンパニーの微細な漏石クレーは高品質との評判を確立
06:02高度経済成長期には紙の需要が急増し生産量も一気に拡大しました
06:08そして1960年代街には30社もの加工業者が軒をつなね
06:17漏石クレー産業が地域経済を支えるまでに発展しました
06:22しかし
06:24突如海外製の安価な代替品が市場に出回り
06:32次第にシェアを奪われカンパニーの売り上げは急落
06:36多くの同業者は廃業を余儀なくされ
06:40かつて栄えたこの地場産業は衰退の一途をたどりました
06:48そんな中1980年
06:50滝本さんは妻の実家の家業を継ぎ社長に就任したのです
06:55社長を引き継いだ時がやっぱり需要も当然落ち込んで
07:023年か4年か5年ぐらい暮らしがもったんど違うかなというような
07:07ちょっという思いはありましたね
07:08このままでは会社の未来も地域の産業も消えてしまう
07:16迫りくる危機の中カンパニーが選んだのは大胆な挑戦でした長年培った粉砕技術を全く異なる資源へ生かす決断をしたのです果たしてこの決断は逆転の一手となるのでしょうか?
07:35いやー驚きましたねというか僕はその老石というものをね初めて知ったものですからちょっと動揺しております
07:44というわけでスタジオには山陽クレイ工業の滝本社長にお越しいただきましたよろしくお願いいたします
07:50よろしくお願いいたします
07:52こちらにあるのがこれが老石
07:54ビゼン氏自体がその老石の産地という歴史的にはいつ頃からこういうことだった
07:59私が聞く範囲では江戸の末期にお坊さんが柔らかい石があるというのを見つけられて石像とかそういうものに
08:10彫刻しやすいということですよね
08:13見つけられてそれから明治になって石筆ってご存知ですか
08:19それは聞いたことありますね
08:21柔らかい石で道路なんかにも地を変えたりとか
08:24学校教育がだんだん広がっていく中で石筆の需要も増えて鉱山も栄えてきたということですね
08:33これが老石クレイというものがあんまり近づいて鼻液でブーって飛んじゃったら嫌だなと思って
08:40じゃあ吉本さん触ってみてはいかがですか
08:44触ってるってことがわからないぐらいの軽さですねこれね
08:50片栗粉の一粒が50ミクロンですのでその10分の1の大きさということですね
08:56でも片栗粉のすごいいいやつみたいな感覚ですね
09:01工場も歴史があってずっと使ってらっしゃるものがあると
09:05それ全然変わってないんですか工場自体は
09:07建物はあれ乾燥棚として使ってるんですよね
09:10いわゆる天日乾燥自然乾燥してるんですけど
09:13手間暇かけて乾燥させている部分っていうのは
09:17大体年間で600トンぐらいを今は生産しております
09:20紙に混ぜる以外の用途だとどういったことに使われるんでしょうか
09:24元々石なので熱に強い薬品にも強い
09:28酸性とかアルカリにつけても正直ビクトもしないというかね
09:32補強剤として使ってます
09:34接着剤とか樹脂とか
09:36知らないくて使ってるものの中に結構入ってるってことですね
09:41そうですか徐々に分かってきましたが
09:43カンパニーが粉砕することになった資源とは
09:482008年
09:56漏石クレイの需要が激減し
09:58カンパニーは存続の危機に立たされていました
10:02そんな時一本の依頼が舞い込んできたのです
10:07依頼主は黒板チョークメーカー
10:10その内容は意外な素材を細かく砕くというものでした
10:16柿殻の粉砕をしてくれないかということで頼まれてオファーされたのは柿殻の粉砕なるほど細かくすることでチョークの書き心地を格段に向上させるというのですそうなの?
10:34カンパニーはろう石粉砕で培った技術を生かし製造に着手
10:39しかしここで思わぬ壁に直面することにここでもうこういう所にこうね藻とかこういうのがついててこれ藻ですかですね藻というか海藻というかですよねさらにマイクロプラスチック原料で見た時にはそんなもんあるように思わないんですけど粉砕してみると意外とそういうのが出てくるんですよねそれの除去にちょっとやっぱり手こずって
11:06そこで異物を取り除くための専用設備をなんと2年の歳月をかけて独自に開発企業秘密のため見ることはできませんがこうして異彩なかきがらパウダーの製造環境を整えました
11:25しかしここで思わぬ逆風が
11:30学校ではホワイトボードの普及が進み黒板の使用は減少
11:37発注元のチョークメーカーも廃業しカンパニーは再び窮地に立たされることになったのです
11:45そんな中カンパニーに新たな風が吹き込みます社長の息子良さんが2015年に入社
11:56今ギリギリの状態むしろまあ下手したらやばいなっていう下がっていく方向のような状況だったんで新しいことなんかやっぱりしていかないと
12:09涼さんはかきがらパウダーの用途の可能性を探り続けましたそんな中ある新たな市場で脚光を浴びることになるのです何だその意外な活用法とはスタジオには滝本社長の息子で専務の涼さんにもお越しいただきましたよろしくお願いいたしますよろしくお願いします
12:36粉砕してから不純物わかるってちょっと腹立ちますね メクロプラスチック出てくる多いってちょっとなりますよねやっぱりね
12:47チョークにかきがらって入ってたんですか昔から 山で取れる石灰岩を粉砕した炭酸カルシウムがそのイメージで入ってるんですけども
12:57かきがらとホタテと卵の貝殻が入ったものがあるんですけども かきがらのものが一番滑らかということでどうしても使いたいっていうことでうちを訪ねて来られて使ってもらうようになったんですけども
13:11りょうさんはそのチョークメーカーさんが廃業した後に会社に入社されたっていうふうに 聞いたんですけれど
13:19それ新卒で会社に入られたいや新卒ではなくて まああの地元のあの医療機器メーカーで
13:27いずれは都合というお考えはあったんですかいやもう全くなくて 祖母が長期入院してたんですけども
13:34あのもう本当に死ぬ間際にあんた会社のことも少しは考えてよっていうようなことを言われたんで まあその時にはっと思って都合かなということを決心しました
13:46お父さんとしては継いでほしいというのはなかったんですか もうしょうがないなという感じがあったんですか
13:50心の底にはあったんでしょうけど見ていただいたとおり右肩盛りの業界だったので僕の口からは告げとは言えない
14:00じゃあもっとそのかきがらパウダーの用途先がもっと本当はたくさんあったらものすごく継いでくれよってたくさん言えるっていう
14:08カキガラパウダーの意外な活用法とは?カンパニーはカキガラパウダーの新たな可能性を探っていましたそんな中高校時代の恩師に出会った良さん恩師に言われた一言が突破口を開くことに
14:38これクライミングのチョークに使えるんじゃないんかっていうようなことも言ってくださってはいクライミングの滑り止めとして使えるのでは?このひと言がカンパニーを全く新しい市場へと導くことになりますクライミング愛好者は年々増加現在推定279万人にも上ります
15:08カキガラパウダーが新たな可能性を秘めていると感じたのです
15:12一方父親である社長の反応は
15:20先生にこういうふうに言われたよって言ったらいやいやお前そんなの手に乗ったら滑るだけだろう言って社長に言われてやっぱりそうかってなって逆に滑り止めにならない
15:33可能性を信じ良さんは商品開発をスタートさせました
15:38本当に滑り止めとして機能するのか
15:42まずは手にしっかりと密着するか滑りにくさを発揮できるかを徹底的に検証
15:50その結果従来の商品に比べ汗を吸収する力は弱かったものの驚くべき特性が明らかになったのです
16:00付着性が高いっていう結果が出たっていうところがありますね
16:08つまり極限まで細かくしたカキガラパウダーは手に付着しやすいという特性を持っていたのです
16:18このデータをもとに従来の滑り止め成分炭酸マグネシウムとカキガラパウダーをブレンドしより効果的な滑り止めを開発することに
16:33問題は最適な配合比率さまざまなバランスで試作品を作りクライマーたちに試してもらうことにしましたしかしこの配合を決める作業が想像を超える困難を極めたのです
16:51その日の体調とか天候とかいろんな要素が絡み合ってただ単にこの数値上の評価が高いものがクライマーが使ってみていいっていう評価にならなくってそこをどう擦り合わせていくかっていうところに苦労しました
17:07手汗のかき方は人それぞれ違いますさらに緊張している時とリラックスしている時では手の状態も大きく変わるその中で多くのクライマーが滑りにくいと実感できる商品を作ることは容易ではありませんでした
17:27そこでカンパニーは徹底的なリサーチに乗り出します
17:33岡山県山岳スポーツクライミング連盟の協力を仰ぎ延べ500人ものクライマーにアンケートを実施
17:42寄せられた膨大な意見をもとに配合レシピを何度も見直しました
17:48そして試行錯誤すること3年
17:53ついに吸着力密着性摩擦のバランスが絶妙に取れた理想の配合にたどり着いたのです
18:04さらにカンパニーは原料となるかき殻そのものも見直しました
18:12実はカンパニーがあるビゼン氏は日なせかきの産地として知られているのですが
18:20大量に出るかき殻の処理に頭を悩ませる漁業関係者も少なくありませんでした
18:26そこでカンパニーは地域資源を有効活用することを決意
18:32漁協と交渉し地元のかき殻を買い取り商品に使用することを決めたのです
18:39地域貢献にもなるんですね
18:42そして2023年
18:45ついに地元のかき殻パウダーを使用した革新的な滑り止め
18:50瀬戸内マグネシオが誕生
18:53瀬戸内マグネシオすごいね
18:55いいねミク
18:56使用した人は
19:00いつも自分が触っているチョークよりもすごいなんかふわふわしてて
19:10すごい手に馴染む
19:11あんまり滑るってことが少なくなりました
19:15そう
19:16弾かない
19:17つけた時に弾かないで手に馴染んで乗ってくれる
19:21滑りが少ない
19:23私は結構好きですね
19:26カンパニーが生み出した滑り止めは
19:31ついに世界で戦うアスリートにも届きました
19:35その一人が18歳の杉本雄介選手
19:40去年夏に開催された世界ユース選手権のリード種目で
19:45見事金メダルを獲得した
19:48今後の活躍が期待される一材です
19:51杉本選手は商品誕生以来愛用しているといいます
19:56出ていただいたの?ありがとう
19:57全然違います
19:58やっぱ粉が細かい分この指紋の溝の間だったりとか
20:04あれ?
20:05結構そういうところまで中もしっかり入ってくれて
20:08だよね
20:09つけた時の手の湿度感だったりとか
20:13っていうのが自分の理想に近いものだったので
20:17今まで使ってきたチョークの中で一番しっくりきたものが
20:21マグネシオ酸のチョークだったっていうことです
20:24さらにこの革新的な滑り止めは
20:29クライミングの枠を越え
20:31他のスポーツ界からも熱視線を浴びています
20:34その注目は野球や
20:39パワーリフティングの世界へ
20:44めっちゃ大変ですもんね
20:46かなりグリップが強いんで
20:50ここでまず外れることがなく
20:52最後まで持ち上げることができました
20:54カンパニーは受け継がれた技術を武器に
21:00新たな市場を切り開きました
21:02革新的な滑り止めは
21:05その高い密着力と持続性が評価され
21:08今アスリートたちのパフォーマンスを支える
21:12重要なツールへと進化しようとしています
21:15挑戦はまだ終わらない
21:20カンパニーの歩みはこれからも未来へと続いていきます
21:25一流のアスリートっていうのは
21:30すごくいろんなことが手に取るように分かるっていうかね
21:34やっぱ一番だと皆さんがおっしゃるっていうのは
21:37そういうことなんだろうなという感じはいたしましたけれど
21:40ついに完成したこちらにあります瀬戸内マグでしょう
21:43これ特徴はどういった特徴になるんでしょうか
21:46瀬戸内海の天然成分だけで作ったチョーク
21:50排気する柿殻と塩を製造した後の海水を有効活用して
21:55配合した商品になっております
21:58吸い込んだりしても安全性は高い
22:00赤色のオストラという商品が
22:03柿殻をふんだんに使った汗をかかない方向けに
22:08付着性の高い商品になります
22:10青色の猿っていう方は
22:12手汗をかく方に向けて作った摩擦力を高めた商品になるんで
22:17配合も全然違うということなんですね
22:19大会が大きくなってば緊張も高まるとね
22:23アスリートによってはこの2つを買って
22:25さらに独自に配合するみたいな
22:27もいますね
22:28そうですか
22:29選手もいらっしゃいます
22:30かきからパウダーを使った事業を
22:32確立していきたいというところがありますんで
22:34これが第1弾の商品とはなるんですけれども
22:37お腹出てきました
22:38体育館とかでこの商品を使うと
22:41粉がまったりしてあと掃除したりしないといけないという
22:44お困り事が出たりとかするんで
22:46液体のチョーク
22:48こういうのも今研究開発したりとか
22:51あとはクライマーの方も爪が割れたり
22:53なるほど
22:53したりするっていう方が多くて
22:56かきがら配合の爪の強化ネイルといったもの
22:59なるほど
23:00今私も塗ってるんですけど
23:02本当にこう
23:02そうなんですか
23:03全然気づかないようなレベルの
23:06スポーツ選手の役に立つような
23:08今後も作っていけたらいいなという風に思ってます
23:11さあというわけで最後に今後の目標をお聞かせください
23:152人で100年企業を目指そうなということで
23:18やっています
23:19その中で私どもの製品が水に濡れると
23:23ぬるぬるして
23:23滑るものとしては使われている実績はあったので
23:29滑らないっていうのが全く頭の中に浮かばなかったので
23:35先入観を全て捨てて
23:37新しいものに取り組んでいきたいなという風に思ってます
23:42真逆の発想の経験をもうしたから
23:44もうどんなアイデアが出てこようとも一回やってみようという
23:48さあそれでは矢島さん
23:50今日の学びをお願いします
23:52はい
23:52今回は
23:53高い技術は成功を引き寄せる
23:58もともとの技術が超絶高い技術なので
24:05こんなに広がりがあるという今驚きが僕の中にすごくあって
24:09高い技術をずっと続けておられるから
24:12成功を引き寄せることができるんだなと
24:14お二人ねやってることが違うんだけど
24:18一つのことをやってるっていう
24:19この感じも素晴らしいなと思いましたので
24:22期待しております
24:23今日はどうもありがとうございました
24:24ありがとうございました
24:24ありがとうございました

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