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00:002023
00:04北の大地に日本プロ野球界の常識を覆す
00:10新たなスタジアムが誕生した
00:12北海道日本ハムファイターズの本拠地
00:19エスコンフィールド 北海道
00:22So is the place to be called the park in the new area.
00:32It's not just a game of basketball.
00:35I'm like I'm going to get to the pool.
00:37I'm going to get to it.
00:38I'm going to get to it.
00:41The pool is 6,000,000 people.
00:43I'm going to get to it.
00:47〈しかもその過半数は試合がない日の来場だ〉〈できるわけないっていろんな人に言われましたしやっぱり規制概念とか固定概念とかはやっぱり疑ってかかってもいいんじゃないか?〉
01:02きっかけは球団や街の未来に対する危機感だったそれが後に札幌ドームからの本拠地移転へ発展誘致に名乗りを挙げたのは札幌市に隣接する小さな街
01:23だが誘致を担う行政マンには強い覚悟があった
01:34建設現場では北海道の厳しい冬との戦いが
01:46まさに開拓するんだという2023年にプレーボールさせるっていうのが必須条件でした
01:548年越しの本拠地移転
01:58雪国の屋内球場には青々とした天然芝が広がっていた
02:05それが本当にまんま目の前でこう見れた時のテンションの上がり具合はちょっと少年のようだったかもしれないです
02:12前例のないボールパークはいかにして実現したのか
02:18その舞台裏に3つの視点から迫る
02:24北海道日本ハムファイターズがおよそ600億円を当時で建設した北海道ボールパークFビレッジ
02:38そこはもはや野球を見るためだけの場所ではありません
02:56サウナに入りながらの感染
03:00球場の外には農業体験施設や子ども園病院もあります
03:06さらに
03:082028年には球場のすぐ隣に新たな駅が開業し医療大学の移転も決まっていますそうボールパークとは球場を中心とした一つの街なんです
03:27運命の分岐点は2023年3月30日ファイターズの新たな本拠地エスコンフィールドで初めて開幕戦が行われた日ですなぜ数々の栄光をつかんだ札幌ドームを飛び出してまでボールパークという壮大な夢にかけたのか?
03:55第1の視点は
03:59北海道日本ハムファイターズ事業統括本部長前澤健
04:07ボールパーク構想の立案者であり実務責任者です
04:13無双化と評された前澤は実は運命の日を迎える12年前一度球団を去っていました
04:22一体何があったのか世界がまだ見ぬボールパークを作るその実現へ向け常識と戦った男のアナザーストーリー
04:38観客の反応を鋭い眼差しで見つめるこの男
04:56北海道日本ハムファイターズ元事業統括本部長前澤健全ては前澤が書いたこの企画書から始まった
05:12新しい球場を作るっていうのは夢でもなんでもなくてやらなきゃいけないことだと思ってたので周囲から無双化と呼ばれた男は常識と戦い続けた
05:262004年日本ハムファイターズは新天地北海道に本拠地を移した
05:38それまでの本拠地東京では赤字経営が続いていたからだ
05:54これからは地域に根差した球団に生まれ変わる
06:00その象徴的な存在がこの年メジャーリーグから日本球界へ復帰したこの男
06:11これからはメジャーでもないですセ・リーグでもないですパ・リーグです新庄劇場といわれる型破りなパフォーマンスこれが他の選手にも波及し徹底的なファンサービスで北海道民の心をつかんでいく
06:37フェクトに上がってもらえたフェクト盛りごとは追いつく足が止まるつかんだ北海道日本ハムファイターズ44年ぶりの日本一
06:52移転3年目の2006年にリーグ優勝そして念願の日本一を達成する
07:04観客動員数も右肩上がり北海道での球団経営は順風満帆に思われたしかしその頃スポーツマーケティング会社を経て球団事業部に加わった前澤は
07:34思って結構愕然とした記憶がありますね球団は札幌市の第三セクターである札幌ドームに毎年13億円以上の球場使用料を払っていたさらに売店の売り上げや広告費はほとんど球団には入らないという状況
08:04別に来年再来年やばいわけじゃなくボディーブローのように効いてきて最後死にたいになってしまうんじゃないかっていう危機感なのでずっと先の危機感なんですよね。
08:18そこで前澤は札幌ドームと共に成長していくため20年以上にわたる長期のフランチャイズ契約を提案するところがその必要がないって言われちゃったので一連卓勝なわけですよにもかかわらず同じゴールを設定して同じビジョンを描けないっていうのは非常に不幸だなと思ったしずっと北海道に根を張ってやっていくって言ってるのに
08:47大本の球場さんとの話し合いが毎年毎年貸してください分かりましたっていうことを繰り返していく変じゃないですか
08:582010年前澤は意を決して球団の役員会にある資料を提出するファイターズの今後を考えると題した42ページに及ぶ企画書自前の新球場を建設するプラン
09:28中心とする街づくりの構想が書かれていた
09:32資料は大手商社の出身で財務のスペシャリスト三谷ひとしと共に書き上げた
09:42ある意味それが当時の刑事に対するリトマシーだったかもしれないですね
09:49それでどちらに触れるかで自分は乗るか反るかっていうことも決めてるんだっていう覚悟の上での提案だったというふうに思ってます
09:59覚悟を決めて提出した渾身の企画書
10:05しかし
10:06ほとんど反応がないというか自分たちの話というふうには取ってもらえてなかった
10:14やっぱりこんだけ北海道の方々に応援されてて成長戦略ないまま今を自転車創業してるみたいなことが
10:23自分で納得できなかったっていうのもあって
10:27だけどそんな中で自分ができることって自分の力不足もあって
10:321年後失意の前沢は多球団のヘッドハンティングを受けファイターズを去った
10:45その後将来への危機感は現実味を帯びていく
10:53右肩上がりだった観客動員数は
10:59目標の年間200万人を前に頭打ち
11:03その理由の一つが客席と選手の距離が遠いことだった
11:11もともとサッカーと野球の試合で併用するために作られたため改修工事もできない
11:20元球団代表の島田利正
11:26当時の状況をこう語る
11:30サポートームさんもやりたくてもできないんですよ
11:32なんでそういう意味での限界は感じてましたよね
11:39会議でやっぱり自前救助作んなきゃダメだって
11:43どなったのを覚えてます
11:44そんな時島田の脳裏に浮かんだのが
11:50あの資料だった
11:52現実にこういう本当に考えなきゃいけないよね
11:56っていうことが起こってくるわけですよね
11:58そしてなんと前沢を再びファイターズへ呼び戻すことを考える
12:05島田は役員全員の了解を取り付け
12:24前沢に復職を持ちかけた
12:27全員賛成してくれてるって言ってくれたんで
12:31もうこれは行くしかないと思って戻りました
12:34やっぱりずっと心の中に
12:37ファイターズって残ってたんで
12:404年ぶりに戻った前沢は
12:44真っ先にかつての相棒に声をかけた
12:48前沢さんから何か声かけられたりしたんですか
12:52んー
12:53球場作ろう
12:55そうだねと
12:57その通りだと思ってましたし
12:59前沢さんが戻ってくるイコール
13:01球場を作るっていうことだっていう風な認識
13:042015年4月にプロジェクトがスタートしたんですけど
13:07そのタイミングで何が決まってたかって言ったら
13:102023年3月に開幕するっていう
13:12これが決まってました
13:13完成は8年後
13:17最短の工程で導き出した目標設定だった
13:22夢っていい言葉ですけど
13:25夢って達成しなくても言い訳できるじゃないですか
13:29そういう意味で言うと新しい球場作るっていうのは夢でも何でもなくてやらなきゃいけないことだと思ってたので
13:35早速前沢たちはアメリカへ渡り
13:40メジャーリーグの球場など
13:42およそ60箇所を視察
13:45しかし本場のボールパークに
13:49ある違和感を覚えた
13:52視察してる時に
13:55皆さん口そろえておっしゃるのは
13:57子供たちが大事っておっしゃるんですよね
13:59なんですけど
14:01大事って言いながら
14:03結構ねデッドスペースに
14:04子供たちのキッズスペース作ってて
14:08すげえ矛盾してるなっていうのはずっと思ってたんですよ
14:11やっぱり規制概念とか固定概念とかはやっぱり疑ってかかってもいいんじゃないかっていうのは思いましたね
14:19そこで彼らは
14:23こんなスローガンを掲げた
14:26世界がまだ見ぬ
14:28ボールパークを作ろう
14:31子供とか子育て世代の方々が
14:35居心地のいい場所にしたかったので
14:36ボールパークっていうのは野球も見るし
14:40違うことも楽しめるっていうことが
14:42野球場とボールパークの違いかなっていう風に思います
14:45前沢が思い描くボールパークは
14:50まさに規制概念を覆す壮大なものだった
14:55開閉式の屋根に加え
14:59キッズスペースや商業施設も備える
15:02走行費は
15:04なんと600億円
15:06親会社である日本ハムの反応は
15:13冷ややかだった
15:14ローリスクミドルリターンだったらいいよみたいな話されてて正直実現性が乏しいと思われてんだなっていうふうに思いましたね
15:27それもそのはず
15:30グループ全体の年間設備投資額は360億円
15:36その2倍近い桁外れの額だった
15:41当時親会社の執行役員を務めていた
15:45工場で修繕費とかいろんなこと我慢してるのに何でこっちに600億使うんだみたいな話がそれはまあ普通の感覚ですよね600億の工場があるのかって言われたらないですそんな工場はない
16:06どうやって親会社を説得し巨額投資の協力を得るか
16:13ここは前澤の頼れる相棒大手商社出身の三谷の出番だった
16:23一つ一つ脳をイエスに変えていくみたいなことをやってましたからね なのでこの会社さんが出資しようとしているんですけどもこのプロジェクト本当にやめていいんですかっていうこういう
16:35単なる夢物語ではなくて真面目に真剣に取り組んでやろうということは おそらく
16:42回を重ねることに伝わってたと思いますね 私はコンビとしては良いコンビだと思いますよ
16:48率直な物言いの前澤さんとね物腰が非常に柔らかい説得力のある説明するみたいにさ共同創造空間って言ってましたけどもだからそういうパートナーの掛け算可能性がですねかなりあるなというふうには思いました
17:06そして2018年3月ファイターズの決定に世間がどよめく建設地に選ばれたのは札幌市ではなく人口6万の北広島市プロ野球チームの本拠地は大都市に作るものという常識を覆した
17:33前澤たちの仕事ぶりにこの男も胸を熱くした 当時の監督栗山秀樹だ
17:45もうブルドーザー的にチームが引っ張っていって夢に向かって何があろうともそれを超えてやるんだっていうその熱さを僕らにも感じますし周りを巻き込んで一気に超えていくそんなような今の時代に非常に珍しいというか
18:02前澤さんのそのもちろんファンの人に喜んでもらうとか いろんな思いあったと思いますけど札幌から離れるということも含めてもうこれは今となったみんな良かったって言いますけど
18:14あの時に決断できるって大変なことなんだね
18:19新しい球場を作りますって言って候補地を決めなきゃいけないっていう過程の中でも いやもう建設工事スタートしててもあれはできないよねっていう方々もいらっしゃいましたので
18:31大半がそう思ってたんじゃないですかね そもそも妥協するっていう選択肢がなかったので
18:37ファイターズのボールパークその誘致に名乗りを上げたのは2つの自治体でした人口200万都市札幌と6万にも満たない北広島対照的な2つの自治体の動向は連日地元メディアが盛んに取り上げました
19:03第2の視点は誘致の実務を担った両自治体の行政マンたち
19:14一方は北海道大学で土木工学を学んだインフラのエキスパート
19:21もう一方は元甲子園球児の高卒たたき上げ なぜ人口6万足らずの小さな町北広島が誘致に成功したのか
19:36一筋縄ではいかない現実と対峙した行政マンたちのアナザーストーリー
19:43札幌市の観光名所 萌岩山展望台
19:53ここから見ると隣り合う2つの町に 2つのスタジアムが並び立つ様子がよくわかる
20:02今回札幌市の担当者が本拠地移転後初めてテレビの取材に応じてくれた
20:12あの当時携わってた人間の誰かが話す必要があるんじゃないかなっていうふうに思ったからです
20:21一方北広島市の担当者は高校時代強豪ではない公立高校から奇跡の甲子園初出場を果たした男だった
20:34チャンスに強い4番打者は30年後再び奇跡を起こす
20:56お知らせいたします北海道日本ハンファイターズより北広島総合運動会の予定地がボールパークの建設候補地として内定するまでの連絡がございました
21:06両自治体の担当者はあの時どんな現実と向き合っていたのか当時誘致活動を主導した川村寛現在は北広島市の副市長を務める
21:26これこのキャッチフレーズすごくないですかこれうちの職員考えたんですよこれ北で広がるが北広っていうの入れていいんですよねこれを誘致活動中にいろんなところにいかけて猫で誘致活動だったんですよね
21:38妄想が構想に変わり現実に変わるって考えたので
21:42だがほんの10年前はここにプロ野球のホームスタジアムが作られるなど誰一人想像していなかった
21:56新千歳空港と札幌の中間に位置する北広島市 人口6万弱の小さな町だ
22:08その一角に公園予定地として放置されていた 36ヘクタールもの広大な土地があった
22:182015年その整備計画を任されたのが企画財政部の河村だった球場を作れば2軍の試合を誘致できるかもしれないそう考えファイターズの球団事務所を訪ねた
22:38ファームの試合が1試合でも2試合でもできるような球場にするにはどんな球場でしょうかねっていうことを持っていったのがスタートです誰もだって札幌ドームから出るなんてコース全く分かんないですもん北海道に移ってきて20年間近くずっと札幌北海道に根付いてきた球団がそこを出るなんてことは僕らみじも持っていないので
22:58その時対応したのが球団事業部の前沢だった野球場を作りたいみたいな話だったんで逆にファイターズのホームタウンを作るっていうのに話変えちゃダメですかっていうのをお聞きした記憶がありますね
23:17札幌ドームを出て新球場を中心とした街づくりをしたいという壮大な構想しかも候補地の一つとして北広島市も検討したいというその頃河村は人口減少が進む街の未来に危機感を抱いていた
23:42正直言い方は小手先のことしかできなかったんですよ要は人を呼ぶのになんかお金を出してみたりなんか子供が生まれたらお金を出してみたりとかこれどっかで立ち行かなくなると思ってました
23:56これはかけてみるって言葉が正しいのかどうか別にしても十分乗れる話だなと思いました私は
24:05しかし新球場の建設候補地の最有力はあくまで札幌市内だった北海道札幌市にフランチャイズがある球団だったのでまずは札幌市内で探すのが当然というふうに自分で思ってましたね
24:23そこで札幌市の建設候補地の検討を任されたのが当時町づくり政策局長だった浦田博史
24:35応援している市民にとってはもう欠かすことのできないそういう存在に当時で十数年ですけどもかけてなってましたからファイターさんが来るまではプレーアーキューを見に行くっていうのは特別なイベントだったのがそれが日常的な空間の中に入り越えてきてくれたっていうこと
24:59それを新球場ができても継続できないだろうかというのが我々の思いでした
25:07だが一方で不安もあった
25:12非常に壮大夢のある計画だったんですけどもそれをいっぺんにですね実現するような土地っていうのを町の中でですね見つけるのはこれはなかなか難題だぞと
25:32そんな中新球場の建設候補地として突如北広島市の名が上がった
25:41ファンの反応は
25:44こんなに嬉しいことはなかったんですよやっぱりこれで北広島が盛り上がるのかなって思ったので
25:52一方札幌市のファンは
25:55なんで出てく必要があるんだっていうそういう声は多々ありましたよねそれでドーム付近にマンションを買った方もいますし
26:02その頃すでに札幌ドームに残る道は断たれていたが
26:09常に札幌ドームに戻るべきだっていう声が我々の耳にも入ってたし球団のさんの耳にも入っててそのことが競技の中に鍵を落とすんではないかっていうそういう経験は確かにずっとありましたね
26:29北広島市も球団の真意を図りかねていた
26:36札幌市の結局当て馬なんじゃないかみたいな思いも少なからず職員の中にもあったかもしれないです
26:45やっぱり札幌ドームから出るはずがないよねっていうのが第一の所感だったので
26:50それでも北広島市の動きは早かった
26:55すぐさま誘致構想を提案
27:00遅れること4ヶ月札幌市も誘致に名乗りを挙げた
27:07候補地の決定はおよそ1年後の2018年3月末だがその後札幌市は予想外の苦戦を強いられることとなるようやく見つけ出した候補地も関係者から承諾を得られず2点3点
27:32ステークホルダー要は関係される方々が非常に多方面に渡ってたというのは確かに調整に難航した理由の一つかなというふうには思います
27:47一方北広島市は小さな自治体ならではのスピード感で次々と具体的な誘致案を示していったただ球団との実務者協議は常に真剣勝負腹を割ってとことん話し合った
28:08僕と前田さんと話をしてじゃあ今日で終わりますよって言われて仕方がないですねって私が言って沈黙の時間がどれだかすごいお話がスーンとなって当然お金も絡んでくるし条件も絡んでくるし我々も向こうに突きつけなきゃならないやってもらわなきゃならないことも結構あったりする時にお互い負担するところも負担しお互いにこう良いところ悪いところも全部言い合えるそうすることによって新たなその結局その
28:37札幌市もようやく最終候補地をまこまない公園に一本化だが近隣住民から反対の声も上がっていた候補地決定を間近に控えた2018年初め両自治体は誘致活動の集大成として
29:07招きシンポジウムを開いた だが市民の反応は対照的だった
29:17北日用に関してはもうぜひ来てくださいっていうもう歓迎ムード一色の あーこれはすごいなと
29:25えーまこまないに関しては交代賞で 参加者の皆さん至って冷静でまずは話を聞いてからっていう感じ
29:35でしたねまあ地元で建設反対の署名もあったぐらいですからそしてついに候補地決定の期限を迎えた吉報がもたらされたのは
29:51北海道日本ハムファイターズより北広島総合運動コン予定地がボールパークの建設候補地として内定するまでの連絡がございました
30:02北広島市が選ばれた。
30:07札幌市にとって最後まで尾を引いたのは札幌ドームという動かしがたい現実だった。
30:20私が直接関わったまあ経済圏の方ですとか、まあ議会の方からはまあなぜドームに残れないのかっていう声は、本当に最後18年の3月までまあ通総帝王のようにずっと。
30:41建設地に選ばれた北広島市だが多くの課題が残されていた。
30:49誘致している段階ではいろいろ打ち合わせしてましたけど、実際に決まるとそこは実際にやらなきゃならないので、そこはいろんな意見が出てくるわけですよ、やっぱり。
31:00そこをどんどん潰していかなきゃならないっていうところは焦りましたね、あの時はね。
31:05工事が始まると建設予定地の隣にある公立高校の保護者から不安の声が上がった。
31:16さらに高校の目の前を走る道路も、車線を広げる工事が行われた。
31:26懸念の声の一方、ボールパーク建設を後押しする市民の存在もあった。
31:36工事でできたコンクリートの壁にはこんなウォールアートも描かれた。
31:44これはスタジアム内の壁画を手掛けるアーティストと高校生の共同制作によるもの。
31:53無機質なコンクリートの壁に私たちの願いも込めてイラストを制作していただいて、それを一緒に描くことができて本当に楽しかったです。
32:03車とかで通った時に家族にここ私が塗ったんだよとかってやります。
32:10高校では球場建設を応援する組織が立ち上がった。
32:18完成する2、3年目まで少しでも関われればいいかなぐらいな感じで話してみたらやりたいというふうなことになったので、ボールパーク委員会ができたんですね。
32:29保護者の方の声も、試合行きたいなとかっていう声もちらほら聞こえたりしてたんで、だいぶプラスに転じてるなっていうのは感じましたね。
32:40ボールパーク委員会があるっていうことを聞いて、これは絶対に入らなきゃと思って、興味を持って、ここを選びましたね。もうすごい誇りですね。
32:52河村は市民の誇りが街の未来をつくると信じている。
33:04僕ですね、これはもう子どもたちのためなんですよ。大人の本気を見せることが子どもに対して伝わると思っているので、大人の本気の集合体だと思ってます、あそこは。
33:15必ずその次の子たちがあそこのFビレッジっていう場所をさらにもっといいものに変えていくはずなんです、間違いなく。
33:212023年、エスコンフィールド完成後に初めて行われた開幕戦。
33:37記念すべく試合に敗れた新庄監督はこう悔しさをにじませました。今日の負けは非常に悔しい建設工事に携わった65万人の方々のためにも勝ちたかった。
33:54第3の視点はボールパークを実現させた建設者たち。後期はわずか2年半。厳しい冬を迎える北海道でいかにして世界がまだ見ぬボールパークを完成へと導いたのか。
34:19北海道の自然に挑んだ建設者たちのアナザーストーリー。
34:28巨大なガラスウォールに開閉式の屋根。
34:35ユニークな球場設計は北の大地で天然芝のフィールドを実現するためのもの。
34:45延べ65万人の作業員たちを率いた工事事務所所長竹中秀文。
34:56初めてこの地を訪れた時は大自然の迫力におののいたという。
35:04これがザ北海道ですね。よみがえりました昔が。
35:12建設予定地は鉄かずの森。熊よけの鈴をつけ草をかき分けて進んだ。
35:21まさに開拓するんだというそういう気持ちで。
35:25現場の作業員たちを奮い立たせたのはあのスローガンだった。
35:31世界がまだ見ぬっていうようなところのスローガンがやっぱり建築家の建築魂みたいなのを爆発させるようなそういうものを感じましたね。
35:432023年3月の開幕までの後期はわずか2年半。
35:59雪が降り積もる冬も工事を進めなければならない地元北海道の作業員たちは真冬の工事もいとわなかった北海道の職人さんっていうのはいろんな一手間二手間かけてでも雪の中でも通常の工事をやっていくというものを教われましてやっぱり自分の中の今までの常識っていうのが違うんだなっていうのを認識しましたね。
36:29ところが着工の直前に思わぬ事態に見舞われる新型コロナウイルスが猛威を奮い始めたのだ工事の延期も懸念される中強い思いで着工を決断したのが竹中だった。
36:512023年にプレーボールさせるっていうのがもう本当に必須条件でしたんでどんなことをしてても中断せずにやると。
37:03北広島市と連携し入念な検査体制を確立。
37:12工事は滞りなく進んでいくかに見えた。
37:20だが後期が折り返し地点にさしかかった頃北海道の自然の猛威にさらされる電車が1週間ストップするほどの記録的な大雪なんとか現場にたどり着いた竹中は思わぬ光景を目にする。
37:43来ると所長そうやないかって言われるんですけども本当に夜が明ける前から真っ暗な時から除雪をしていただいて非常に厳しかったんですけども逆に職人に励まされながらですね工事をしたっていう。
38:02目標は開幕の半年前に行われる天然芝の植えつけ何としても間に合わせたかった天然芝でやるっていうことはもうね最重要課題なので芝生ができなかったら選手もそこで野球できないんでそこまでには絶対終わらせると。
38:30重要なミッションを託されたのがスポーツ用天然芝のエキスパートそごうきよし。
38:37とにかく芝ファーストだと南側から光を取り入れるためにはどうしたらいいっていうところで設計と打ち合わせしてガラスでどう?と。え?ってなりましたけどこれがない。もう絶対育たないので。
38:55太陽光を取り込み天然芝のフィールドを実現するしかしこれまで日本の屋内球場では前例がなかった一番寒い時でマイナス20度ぐらいになるところでしかもプロのスポーツをやるというところでは全く国内では誰も経験したことがなかったので。
39:19祖豪は建設予定地の隣に天然芝の試験場を構え試行錯誤を繰り返した。
39:26本当にこの球場をギューッと30分の1に縮めたものを6個作りまして形も屋根の開閉とかもできるようにしてで南側もガラス壁にしたりとかバイク開いて芝を痛みつけるとか全部条件同じにしてどういった方がいいのかっていうのを見極めました。
39:33天然芝を育成するためにもう一つ欠かせないのが可動式の屋根だった。
39:40要となる台車の製造を担ったのは建設地の目の前にある地元企業。
39:47台車製造の責任者一田安氏。
39:54地域の活性化というところにもつながっていくんじゃないかというところで、地元としては、地元の活性化を育成するためにもう一つ欠かせないのが、可動式の屋根だった。
40:01要となる台車の製造を担ったのは建設地の目の前にある地元企業。
40:09台車製造の責任者一田安氏。
40:16地域の活性化というところにもつながっていくんじゃないかというところで、地元としては頑張っていこうという思いはありましたね。
40:27重さ1万トンの屋根を動かす24台の台車には100分の1ミリの精度が求められた。
40:37この車輪の部分がちゃんと床に4点設置するっていうのが難しいところでしたね。
40:45紙の木1本の隙間があってもやっぱ設置しないことになりますんでね。
40:49こうしてスムーズな開閉を実現し、日照時間をより多く確保できるようにした。
40:59開幕の半年前、ついにグラウンドに天然芝が敷き詰められた。
41:09それは建設に携わる者たちが待ちに待った瞬間だった。
41:17本当に感動しましたね。
41:19ほっぺたをつねるような感覚で、夢かなと。
41:23屋根ができて、芝生を張った時っていうのは、別世界っていうか、匂いが非常に良くて、五感で感じるスタジアムみたいな、そんな感覚でした。
41:39そして迎えた運命の日。球場を訪れたファンから歓声が沸き起こった。
41:53入ってきた瞬間、やっぱり皆さん、うわー、千葉吹きれって言っていただける方多いんですよね。
42:00それを聞いた時は、感無量ってこういうことだなっていうのは、本当にまさしく思った瞬間でしたね。
42:07この日を迎えるまでの裏方たちの苦労を知る選手たち。
42:15絶対勝つよ。最高!
42:20やっぱりなんとか勝ってね、携わった皆様に少しでもこう、作ってよかったなと、そう思ってもらえるような試合をっていう思いでやってましたけど、本当にね、北海道ではないと言われていた天然芝を、しかも室内で完成させて、やっぱり僕たち選手にとってはすごく優しいですし、大変だと思いますけど、本当感謝したいなというふうに思います。
42:45仲間たちと共に常識を乗り越えボールパークを完成へと導いた前澤。理想を詰め込んだこの場所には未来への願いが込められている。
43:07人口減少がどんどん進んでいく中で、このままだと本当に野球とかスポーツが衰退していってしまうんじゃないかっていうのはずっと考えていて、衰退しないように自分は何ができるんだろうっていうことをずっとこう事業側の目線として考えていたので、その一つの方策がこのエスコンフィールドみたいな球場だと思っているので、うーん。
43:34戦っているというか、それがバネになっているかもしれないですね、自分の。
43:41世界がまだ見ぬボールパークをつくるその戦いはこれからも続いていくレジェンドの。
44:02打って、打って、打ちまくったラミレスのすごさに迫る。
44:37ドイツ人家族のその後、今夜11時25分。
44:44究極ガイド2時間で回る。
44:47ニューヨークメトロポリタン美術館を田中みなみさんと加藤誠志郎さんがとっておきのルートでご紹介。
44:54NHK BS 8日木曜午後6時半。
45:01雛尖フィールド2時間。