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00:00BSTBS
00:05関口宏は思う世の中には不安なこと分からないことがあふれているこのままでは日本のそして世界の未来はどうなるのかそこで一緒に考えてみませんか関口宏のこの先どうなるこの先どうなる始めます今日のテーマなんでしょう?
00:28落納は危ないのはい牛乳をものすごくたくさん捨ててるニュースご覧になったことあるんですかああ随分前だよもったいないなと思ったんだよそうですよねあの多少はご存じそうですねまあいろんなデータ見ててもかなりきつそうだなというふうには見ておりましたあそうだけど落納って牧場を持ってねうちと一緒に自然の中で生活するってうらやましいなあなあ
00:58ちょっと思う時代もあったけど今大変なんだそうなんですちなみに今日は落納畜産の中でも落納にスポットを当てていきたいと落納っていうとまあ後で説明出てきますか
01:10今ちょこっとだけ申し上げますね畜産というのは牛や豚などの家畜を飼育して肉や乳などを生産すること全般を指しますで落納はその中の一部です
01:22乳牛を飼育して牛乳や乳製品を生産することを指しますで今日は落納にスポットを当てていきたいとゲストの方をご紹介してくださいはい本日は静岡県の朝霧メイプルファームで代表を務めている現役の落納家丸山純さんですよろしくお願いしますよろしく丸山ですよろしくお願いします
01:43丸山さんは落納一家に生まれ育ち落納家歴16年ITを取り入れた牧場経営を実践したり講演を通じて落納の現状を広く伝えたりするなど落納の未来のために日々奮闘しています
02:06そんな危ないですか今 正直言っていいですかめちゃくちゃピンチですね
02:11あらそう 本当にここ何年もこの危機が続いているんであんまり大変って言い過ぎると信じられなくなるんじゃないかっていうぐらいかなり厳しい状況がずっと続いてますね
02:22へーいや知らなかった
02:25ではまずは日本の落納の現状についてこちらのVTRをご覧ください
02:31落納
02:36長年にわたり日本人の健康を支えてきました実はその落納が今危機に瀕しているのです
02:48多くの落納家はねかなり多くの負債を抱えてるんです返すに返せない状況やめるにやめられない状況前にも進めない後ろにもいけない
02:582023年永田町で落納家があげた悲痛な叫び餌代などが高騰する一方で牛乳の価格を上げられずその結果廃業が相次ぐ状況だというのです
03:15今年3月末には岐阜県で有名な比田牛乳の製造元が負債を抱え解散しました
03:252021年には当時の首相が
03:33生乳の大量廃棄
03:37コロナ禍と牛乳の消費が減る冬が重なり需要が低迷
03:44せっかく絞った生乳を廃棄せざるを得ない状況に一時期陥ったのです
03:52日本の落納家の個数は昨年初めて1万個終わりここ15年で5割以上も減っています
04:04更に、牛乳の1人当たりの年間消費量もピーク時と比べるとおよそ10リットルも減少。
04:15危機の真っただ中にある落納がよみがえる手だてはないのでしょうか日本の落納この先どうなる?
04:30無念の生乳廃棄
04:35あれはどうにもなりませんかやっぱりもう使い道がない?
04:39そうですねあの僕ら落納家にとって牛乳って命のもう命に変えられないような大切なものを捨てるっていうのは本当に無念で
04:47涙を流しながら捨てるっていうようなことも聞いたことがあるし
04:51何か方法はないのかなぁっていつもあのニュース見るたびに思いますが
04:55そして落納家の数が1万個割っちゃったと
04:58そうですねもう本当に僕の住む朝霧高原は落納に向いている場所なんですけどそれでも近所でもう本当隣の落納家さん辞めちゃったんですよ
05:08そういうところがいくつも増えてて本当に身近でも落納家が減っているっていう感覚を非常に感じますね本当はいではまずは落納の根幹である牛乳の基礎について押さえたいと思います
05:22落納でよく耳にする生乳と牛乳何が違うか分かりますかまず生乳はこれ出てきましたけど絞ったままの牛の乳牛乳これは加熱殺菌処理をしたものでふだん飲んでるのはこれだよね舌のはい牛乳ですねと呼ばれるものただね私たち子供の頃ねどっかの牧場へ学校が連れてってくれてたんですよ
05:52絞ったての牛乳ですよって飲ませてもらったのがうまくてねだからあの生乳をそのまんま売るわけいかないわけだそうなんですよあの生乳はものすごい栄養がたくさんあるんですよなのでちょっとの雑菌でもすぐに繁殖しちゃうんですよ例えば雑菌で牛乳吹いたりするとすぐ臭くなるじゃないですか栄養がたくさんあるってことは雑菌も増えやすいとなので食品衛生上を必ず殺菌をしてから流通させなければいけないっていうルールがあります
06:22生乳は我々が口にする牛乳のもとです生乳が原料になっているのは牛乳だけではありませんそこでこちらをご覧ください生乳から牛乳乳製品が生まれる過程を木に実がなる様子で例えたイラストです
06:49生乳というのは必ず殺菌しなければいけません殺菌した後ですねそのまま牛乳として飲みますよというパターンもあればこの牛乳を発酵させてヨーグルトにしたりあるいは濃縮して甘みつけて練乳という形で売ったりというのがまず今一つの真ん中のところになっています
07:08さらに生乳は発酵させると育児用粉乳やナチュラルチーズフレッシュチーズなどのチーズ類になり分離させると生クリームバターそして脱脂粉乳やスキムミルクができるのです
07:28生乳からいろんなものがいろんな形で利用されているというものになってますだから僕ら酪農家はある意味生乳という原料を絞って出荷してその出荷した原料の生乳をいろんな加工をして例えば養殖に使われたりとかチーズをそのまま食べたりバターとか乳製品が特に養殖には欠かせないんでそういう意味では生乳っていうのは本当に大切な飲み物だし乳製品だと思いますね
07:57生乳を原料とする乳製品の中で我々に一番身近なのが牛乳です 大きくはこちらの4種類に分類されています
08:11牛乳にもこんな種類があるの?
08:15そうなんです上から牛乳成分無調整牛乳 これは生乳を加熱殺菌しただけ乳脂肪分3.0%以上
08:25続きまして成分調整牛乳 生乳から水分乳脂肪分などの一部を除去し成分を調整乳脂肪分1.5%以上
08:353番目が低脂肪牛乳 生乳から乳脂肪分の一部を除去 乳脂肪分0.5%以上1.5%以下のもの
08:45さらに無脂肪牛乳 生乳から乳脂肪分のほとんどを除去したもの 乳脂肪分0.5%未満ということです
08:54こんなにも種類があるっていうのも何か日本の何か牛乳へのこだわりが出てるのかななんて思っちゃったんですけれど確かに世界的に見て飲料として牛乳をこんなにたくさん飲む国ってほとんどないんですよ日本ってかなり特殊な国だと思っていてそこから生まれたこういういろんな文化だし派生したものだと思います
09:13牛乳は栄養バランスに優れエネルギーのもととなるたんぱく質脂質炭水化物さらに体の調子を整えるビタミンやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています
09:34だから昔から学校給食に取り入れられているんですねでは学校給食と牛乳の歴史を見てみましょう
09:471946年だから戦後1年後だよねはいそうですねアメリカのララ物資と座ったよはいここで脱脂粉乳を持ってきてくれたの我々に飲ませてくれたんだけどはい飲めないんだよ飲めない
10:06みんな鼻つまんでるもん強引に飲んでる
10:09どんな味なんですか
10:11まずいの
10:12まずいのは伝わったんですけれど味はするんですか
10:16味してますよ味がまずいから飲めないな
10:19しかもそれ前の食文化に全くないもんだからもう子どもたちもなんかよくわかんないみたいななんだこれはってなったんでしょうね
10:26そして1954年昭和29年に学校給食法が施行されました
10:329年後だね戦後はいそうですね
10:34こちらでミルクの提供が明文化されまして現在もこちらが公共食法に従ってミルクが出るということになっています
10:43だからあの瓶のミルク見たときねいいものができたなと思ったよほんとおいしかったもん
10:50おいしかったはいこの牛乳が出るようになったのは1958年から一部地域で脱脂粉乳の代わりに国産牛乳が提供されるようになったということです
11:02学校給食に採用された牛乳は高度経済成長期の人口増加によりその消費量を増やしていったといいます。
11:17続いて牛乳の1人当たりの年間消費量の推移を表したグラフを見てみます
11:261975年の時点では大体1人当たり年間20リットルぐらい飲んでたそうなんですね それが90年まではですねどんどん増えていきましてピークがこの1990年の1人当たり年間34.6リットルこれは大人も子どもも合わせての平均値でこれだけ飲んでいたという時期があります
11:45ただそこから少しずつ減少傾向にありまして 今下げ止まっているんですけれども最新のデータでは24.8リットルということなのでざっくりと3分の2ぐらいに減ってきているという
11:59まず1つ目は少子高齢化というところもありまして 子どもの頃はすごく飲んでいるけど大人になってくると徐々にあまり飲まなくなるという方々も結構いらっしゃるんじゃないかなというのが1つ
12:11そして飲み物の多様性がこの前後ぐらいですごく上がっているんですね
12:15いろんなものが出てくるんだ
12:17缶入りの緑茶とかっていうのが売られ始めたのは多分80年代だったりとか
12:21あとはオレンジの自由化が始まって日本でどんどんオレンジジュースが売られるようになったりとか
12:26ということでご家庭なんかでも飲み物って言ったら牛乳だよねって言って
12:31卵と牛乳は必ず買うみたいなところから少しずつライフスタイルが変化していってというのが今こういう動きなのかもしれません
12:39こうして減ってはしまったんですけどある意味でそこの下げ止まって
12:44牛乳が変わらず消費して安定して消費してもらえてるっていうのは落農家にとって嬉しいことで
12:51あと例えば乳製品離れみたいなのって世間で聞かれないじゃないですか
12:56ジェラートとかケーキとか洋食とかって若者も好きだし
13:00そういう意味で乳製品牛乳のファンってまだまだたくさんいると思ってるんですよね
13:06乳製品はまだまだ需要が多いと語る丸山さんですが
13:12その一方で酪農業界が直面している現実はかなり厳しいといいます
13:21そこでこちらをご覧ください
13:24酪農家の個数の推移を表したグラフです
13:292008年には2万個落農家があったわけなんですね
13:34なんですがこれがどんどん減っていく傾向にございまして
13:382024年にはもう1万個をついに切ってしまったと
13:41わずか15年で半分未満になってしまったということで
13:45基本的には落農家の個数は減ってるっていうのは変わらない
13:49一方的なトレンドだったんですけど
13:51特にこの2、3年の減り方は異常で
13:53やっぱりここまで減るとは予想してなかったというか
13:56近所の落農家とか知り合いの落農家が
13:59あの人も辞めるのみたいな
14:00結構驚くことが増えたなと
14:02この数年は
14:04ほっとけないな
14:06そうですね
14:07続いて落農家の経営状況を見てみます
14:13こちらは昨年9月
14:16現役の落農家に訪ねたアンケートです
14:20まず半分の方がですね
14:23とても悪いよというふうに答えておりました
14:25とても悪いのが半分
14:27まあ悪いというのもですね
14:2833.1%
14:308割がですね
14:31まあやっぱり悪いよねと
14:32まあ良いと答えている方は
14:345.1%しかいなくて
14:36とても良いなんていうのは
14:37もう誰も答えてないわけですね
14:38なるほど
14:39何がいけないのかね
14:41落農家同士で会うと
14:43本当に経営状況が悪いって話から
14:45いつもスタートするんですよ
14:46今が悪いのはもう本当に
14:48みんなが思っていることなんですけど
14:49この未来の見通しが悪い見えないっていうところに更なる不安というかストレスがありますね
14:58ああそう
14:59将来に不安を感じているという落農家丸山さんは今落農が直面している危機はこちらの2つだといいますまずは生産コストの上昇とコロナ禍牛はエサを海外の輸入に依存してるんですけど穀類をそれが円安などによって上がってしまったと生産コストが上昇したら価格転嫁をすればいいじゃないですか?
15:27上がった分だけ価格にオンすればいいんですけど実はその状況で牛乳が余ってしまったと牛乳の供給過多になっている状況で価格を上げてしまうとより消費が減ってしまうとより余ってしまうっていう負のサイクルになるので牛乳の値段を上げたくても上げられないっていう状況があったんですよ。
15:49牛乳が余り過ぎた原因はコロナ禍だと丸山さんは言います
15:56コロナ禍で学校が休校となり給食自体がなくなったため牛乳の消費も減りました
16:05すると牛乳が過剰供給の状態に陥ってしまったのです
16:12ならば作乳を止めて生産量を調整すればいいのではと思うのですがそういうわけにもいかないといいます
16:26その理由がこちら酪農の危機2つ目です
16:34生乳の受給調整の難しさ
16:38牛の生乳っていうのは牛にとっての生理現象なんですよ
16:43普通に生活していて生きていて自然に出てくるものだと
16:46毎日必ず絞ってあげないと牛のお乳は痛くなって炎症を起こして病気になってしまうんですよ
16:54牛は絞ってあげないと痛くて泣くんですよ
16:58止められないんだ
17:00そうなんですよ
17:01生乳の受給調整の難しさとしてもう一つ大きな問題があるといいます
17:09生乳の原理っていうのがまず人工受精をして約1年後に生まれると
17:16その生まれた子牛が大きくなって妊娠をして出産をして初めて牛乳が出るんですよ
17:22乳牛は生まれてから乳を出すまでに2年かかるといわれています
17:29なので種付けの期間も含めると
17:33牛乳を出すためにおよそ3年かかるんですよ最低でも
17:39なので3年後の牛乳の生産量っていうのはもう決まってるんですよ
17:44例えば野菜とかのように今野菜がこれ売れてるから増やそうと思っても来年増やすってことはできない
17:52今この野菜があまり売れてないので減らそうとしても来年減らすことはできない
17:573年後の予測をしないといけないっていうのが受給調整の難しさにつながってるんですよ
18:02こんな状況に対して国はどのように対応したのでしょうか
18:09こちらは国が行った濁農への対策の一部を表したものです
18:152014年ですねこの深刻なバター不足問題というのが実はあったこと
18:21それに対策をしなければということで
18:25政府はですね畜産クラスター事業というのを2015年度からやるようになりました
18:29こちらですね地域の畜産の収益性向上を図りましょうということで
18:34施設とかですね整備しますとか機械を導入しますということに対して
18:38最大半額補助しますと
18:40なので頑張って増産してくださいということをやったんですよ
18:43なんですけど最大半額ということは残りの半額ってどうするんだと
18:48それは落農家の方々は借金をしてですねその機械を導入する
18:52半額はお金を借りて残りの半額は税金から出してもらってということをやったんですけれども
18:58当然そういうことをやるとですねこの生乳の生産量が増加しました
19:01一旦はまあいいことだったんですけれどもコロナ禍が来ました
19:07そうすると学校給食用の牛乳も停止されますし
19:11いろんな乳製品というのが外食需要なんかも減ってきてしまってですね
19:16そうすると6万トンの生乳が余ってしまったという風になってしまうわけですね
19:20そうすると今度は生乳生産抑制しなきゃということで
19:24今度は2022年度から抑制するということは
19:27じゃあもう乳牛を殺処分しないといけませんねと
19:301棟あたり15万円で生産者団体から5万円で合計20万円出すので
19:35ちょっと牛乳の生産量を抑えてくださいみたいなことをですね
19:38この22年度からやっているということで
19:41あたり的にやるけどそれじゃ効果が出てないわけだ
19:46国が補助金を出したということ自体はすごく助かったし良かったと思うんですよ
19:51ただ補助金を申請してこれだけ増えるという予測はある程度できたはずなので
19:56そこで何か増やしすぎというところに歯止めが効かなかったのかなというのは
20:02落納家としては今の状況を招いているところに少し疑問があるというか
20:08本当に辛い思いをしたという
20:11国の政策やコロナ禍、円安などの外的要因にも苦しめられる落納家
20:20今彼らはこんな声を上げているそうです
20:25いろいろ工夫しているが経営が厳しい
20:30落納経営は365日休まず生乳を生産しているということなんですけれども
20:37これは共感されますか
20:38そうですね、牛を飼う仕事って本当に休みがないんですよ
20:44牛乳を絞らないと牛って病気になってしまうので
20:46明日は絞らなくていいからちょっと旅行に行こうみたいなことができないんですよ
20:51そうなの、毎日絞ってあげなきゃいけない
20:54そうなんですよ、僕は子供の頃旅行に行ったことなんて
20:57本当に1回か2回しかないですね、1泊2日の旅行
21:00ああ、大丈夫だった、病気にならなかった
21:03一応このヘルパーさんに手伝って
21:06やっぱり誰かがやってくれなきゃダメな
21:08そうすると旅行のためのコストもちょっと割高ということでしょうね
21:11生き物相手なので休みがなかなか取れない酪農家
21:18この後、酪農家の1日のスケジュールをご紹介します
21:24想像を絶する忙しさでした
21:27この先どうなる?
21:44本日のテーマは、酪農の危機
21:46ここから一般的な酪農家の1日のスケジュールをご紹介します
21:53ゲストの丸山さんの解説です
21:56まず酪農家の朝は非常に早いんですよ
22:02牛乳を収入者が毎朝取りに来るんですけど
22:06その収入者に合わせて作業をしなければいけないので
22:09自分で絞って持っていくんじゃなくて
22:12厚辺に来る車に合わせて絞らなきゃいけない
22:15そうなんですよ
22:15その1台の車がいろんな酪農家を回っていくんで
22:19例えば1軒目の酪農家なんかは朝5時に収入に来るとなると
22:243時から作業を開始しなければいけない
22:26収入者に合わせて6時から作業や牛舎の掃除
22:33餌やりを行うとすると、その3時間後
22:37朝9時ごろ朝食を取るみたいな酪農家は多いです
22:43僕なんかは子供の頃、親とご飯を食べたこと一回もないです
22:48へえ
22:49登校する時間はもう働いているからという
22:52一番忙しい時間ですね、7時、8時というのは
22:55学校と牧場のスケジュールが違うわけだ
22:58そうなんです
22:58朝食が終わると、牛の餌となる牧草の管理や
23:05堆肥をまく畑仕事を行い、午後5時から夕食
23:10でもここで終わりではないんです
23:13その後に1日最低2回は作業してあげなければいけないので
23:19夕方もやるんだ
23:20そうなんですよ
23:21なのでかなり拘束時間も長いと
23:24そうだね
23:25プラス、出産があったりすると
23:28それを月切りで見なければいけないんですよ
23:30出産っていつ起こるかわからないじゃないですか
23:33例えば仕事終わって、ようやくご飯食べられる
23:36寝れるって時に出産が始まったら
23:38朝までしっかり見てあげなければいけないっていうのは
23:40いつ出産が起こるかわからない
23:43なので畜産の中でも酪農ってかなり飛び抜けて
23:49そんな酪農家の平均報酬額は2022年でおよそ442万円でした
24:01この額に対して丸山さんは
24:06近所の個人落農家と話すんですけど
24:09自分の仕事が時給換算したらいくらになるんだって
24:13怖くて計算できないと
24:14本当にコンビニで働いた方がマシなんじゃないかっていうようなことを言っている落農家
24:18重労働の割に報酬が少ないという落農の仕事
24:24課題は大きく2つあると丸山さんは言います
24:30まず1つ目は小規模経営による経営効率の割れさ
24:36そうなんですか
24:38もちろん小規模経営の方がいいことはたくさんあるんですよ
24:42例えばきめ細やかな管理ができると
24:45牛一頭一頭の顔を見て管理できるっていうところもあるんですけど
24:48ただ例えば削乳なんかも小規模だと
24:53バケツを持ってその場でかがんで絞るっていうようなことが
24:57今でも主流なんですよ
24:59大規模だと牛に生きてもらって機械で一気に絞るみたいな形で
25:03いろんなところで大規模化の経営効率がいい
25:07小規模落農による効率の悪さっていうのはあるんですよね
25:12丸山さんが考える落農の課題
25:172つ目が人手不足です
25:20現場の人も足りないし
25:24落農家の経営主のおよそ4割が
25:26跡継ぎを確保できていないという現状があるんですが
25:30跡継ぎってことは子どもたちが親見てて
25:33つらそうだから俺は継がないになっちゃうの
25:35それももちろんあるんですけど
25:38逆にこの僕の父親世代が
25:40こんな大変な仕事を息子にやらせるのは
25:43ちょっとかわいそうだって言って
25:44そっちからもあるか
25:45もう継がせないっていうような人も中にはいますね
25:48ここからは先ほど出た落農の2つの課題に対して
25:53どんな対策をすればよいのかを考えていきたいと思います
25:57まずは小規模経営による効率の悪さへの対策です
26:01この後日本の酪農を救うかもしれないロボットが登場
26:08小規模な落農経営による経営効率の悪さを解消する策とは
26:18酪農が盛んだった戦後
26:24酢乳は人の手によるものが主流でした
26:27これは大変
26:291960年代半ばになると
26:34ミルカーと呼ばれる酢乳機が登場
26:37作業の効率化が一気に進みました
26:41そして今作乳の最先端はどうなっているのか
26:50北海道のとある牧場を訪ねてみると
26:54牛たちが向かう先には
27:00箱型の大きな機械が
27:04中に置かれた餌欲しさに
27:08牛は自ら機械に入ります
27:10実はこの機械こそ
27:13経営効率を改善する作乳ロボット
27:17人が一切関わらずに
27:22自動で乳房の位置を確認し
27:24作乳していくのです
27:26家族経営の酪農家にとって
27:32この作乳ロボットは
27:33どんなメリットがあるのでしょうか
27:36牧場主の藤井さんに聞いてみました
27:41作乳っていう
27:442、3時間とらわれてた時間が
27:47家族が亡くなったので
27:49その間に本当に違うことができているので
27:51もう変な話1時間ぐらいで
27:54両親は朝晩1時間ずつぐらいで
27:57終わっているので
27:58すごい楽になったなっていう風に
28:01言っています
28:01さらにこちらでは
28:04餌を自動で牛に与える
28:06自動給食も導入
28:08別の牧場では
28:13子牛に自動でミルクを与える
28:15保乳ロボットを活用
28:18このようなロボットたちが
28:25家族経営の酪農家を助けているそうです
28:28いやちょっと最初からの質問ですけど
28:35機械を買うお金がまた必要だよね
28:38非常に高価な機械なんで
28:40今だとなかなかこう補助なしで入れるっていうのは
28:44難しいっていう風に思う
28:46ただ自動ロボットのいいところもあって
28:50牛は1日3回4回絞ってもらいたいっていう時もあるんですよ
28:55出る牛にとっては70キロとか80キロとか出る牛もいるんですよ
29:00そういう時は2回よりも3回4回絞ってもらった方が
29:04痛みも減るし絞るとより出るようになるんで
29:08そういう意味では生産効率も上がると
29:10導入したからにはそのロボットがずっと使えるぐらいの規模感の
29:15牛の飼育等数っていうのも必要になってくる
29:18いやそれは逆にですね
29:20この1台のロボットで飼える限界っていうのは50頭ぐらいなんですよ
29:24その回転率でいうと
29:25なので個人落農家とロボットっていうのはそんなに相性が悪くなくて
29:30そのロボットを入れることによって続けられるっていう面もあるんで
29:34ここからは課題の2つ目
29:37人手不足に対する対策について見ていきます
29:41丸山さんが経営する牧場に解決のヒントがあるそうなので
29:46取材してきました
29:47富士山の麓に位置する静岡朝霧高原
29:53第二次大戦後入植者たちが開拓した
29:58日本でも有数の落農地帯です
30:01一軒の牧場を訪ねました
30:05朝霧メイプルファーム
30:11ここを経営する落農家こそ
30:13今日のゲスト丸山純さん
30:153代目で20名のスタッフを率いています
30:20早速丸山さんに案内されたのは
30:28牛はメインの牛舎になっていて
30:34生牛が450頭います
30:37牛はフリーストールと呼ばれる牛舎の中で
30:47移動したり横になったりストレスなく生活
30:51牛の健康にひと役買っています
30:55丸山さんは人手不足
31:02後継者不足の解消になり得るある仕組みを取り入れました
31:07牛の仕事は例えば餌作りとか人工受精とか作乳とか子牛を育てるとかたくさんの仕事があって専門的な技術と知識が必要なんですけどその全てを従業員にやってもらってます
31:22一般的な牧場ではスタッフの働き方は分業制
31:31作乳餌やりなど完全に分かれています
31:35しかし丸山さんの牧場ではスタッフに作乳や子牛の世話など様々な仕事を3、4ヶ月のローテーションで経験させます
31:493年でラフの全般の仕事をマスターさせる仕組みです
31:55それを可能にする秘密がこちらのスマホ画面にありました
32:05分娩が近くなってくると出してくる兆候だったり行動の変化があるのでそのポイントをまとめたマニュアルを見てチェックしています分娩の時期病気の見分け方牛への接し方など300以上もの細かいマニュアルを独自に作成し常に情報共有しているのです
32:30ジョブローテーションをマニュアルなしでやったらものすごい苦労と費用と不安がかかる
32:38スタッフからしたら心配じゃないですか
32:41やったことない仕事をもう3ヶ月4ヶ月ごとにまた覚えなきゃいけない
32:47っていうところがマニュアルのおかげでなくなったっていう
32:51ジョブローテーションをするためにもマニュアルは必要なんです
32:54このマニュアルとジョブローテーションによってスタッフを効率的に一人前の酪農家に育てることが可能に
33:04その結果人手不足後継者不足の解消につながるといいます
33:13さらに多くの仕事を任されることでスタッフのやる気も変わってくるそうです
33:20楽能って本当に特殊な仕事で生き物とこれだけ密に接する仕事ってあんまりないと思うんですよ
33:39本当にそういう特殊な仕事だからこそすごくやってみたいっていう方もたくさんいて
33:45そういう人が楽しく働ける環境づくりをすればまだまだ人手不足っていうのは解消できるんじゃないかなって思いますね
33:55不思議な話だな
33:57時代が進めばね分業制にしていった方が効率も上がるし
34:02いいっていう考え方で文明は流れてるはずなのに
34:07働きがいを一人一人に持ってもらうということをやってらっしゃるわけですね
34:13知らないことがあるとこの牧場に接してるというか主体性が減っていくと思うんですよ
34:20この牧場で起きてる全てのことを理解できるってなると
34:24従業員がここで働いてて楽しいやりがいを感じるっていうところにつながってくるんじゃないかなと思います
34:31そうすると若い人たちも楽しみながら仕事ができるようになっていくってことだね
34:37そうですね
34:37例えばうちなんかはトラクター大きいトラクターあるじゃないですか
34:41あれ女の子も乗るんですよ
34:43結構他の農場の人に驚かれるんですよ
34:45トラクターは女の人乗れるの?みたいな
34:48うちはこういう時代だからこそ全ての仕事をしてあげる
34:52しっかりマニュアルを整備してあげれば安全に作業できるし
34:55そういうことで全ての仕事をやってもらうということを重要にしてますね
34:59おいおいそうやって自分で全てのスキルがあるから
35:02ちょっと独立して自分の牧場を持ちたいとか
35:05そういった方もいらっしゃったりするんですか
35:07そうですね
35:07実際にメイプルファームで修行して
35:11自分で独立するっていう人が何人かいました
35:13自分の牧場があって
35:15じゃあ後継者不足の問題も少しは
35:17こういったやり方で解消できているわけですね
35:20ここからは未来について考えていきたいと思います
35:242050年楽能の未来この先どうなる?
35:29この後は日本の牛乳が海を渡ります
35:34実は海外で大人気なの知っていましたか?
35:40とてもおいしいです
35:41とてもおいしいです
35:42ありがとうございます
35:43一番
35:44この先どうなる?
35:49本日のテーマは落納の危機
35:51ここからは2050年
35:55落納の未来を考えていきましょう
35:58まずは今年2月のニュースをご覧ください
36:03インドネシアに牛乳輸出へ
36:05アジア市場開拓
36:07北海道四葉乳業
36:09牛乳の海外輸出を広げる
36:11東南アジアやアフリカ
36:13乳製品の輸入量の増加が予測される
36:16インドネシアやマレーシアへ
36:18常温保存可能な牛乳の輸出を見込むということです
36:23やっぱり牛乳は基本的に乳製品
36:25チーズとか加工品というのが海外では普通なんですよ
36:29なのでこの日本での牛乳をおいしく飲む
36:33新鮮な牛乳を飲むというのを輸出するというのは
36:36かなり可能性として
36:37前向きなビジョンとしてはあり得るなというふうに考えています
36:41ただ時間もかかるから輸出は
36:47それであれかな
36:48LLロングライフ牛乳という
36:51これが使われるということ?
36:52ロングライフ牛乳とは
36:56加熱・滅菌し特殊なパッケージを使った
37:00常温保存できる牛乳
37:02冷蔵されたチルド牛乳よりも
37:07賞味期限が長く
37:082、3か月持つといいます
37:10こちらは日本の牛乳乳製品の
37:17輸出実績のグラフです
37:18年々輸出額が増え
37:212022年にはおよそ319億円
37:25しかしそのうちロングライフ牛乳などは20億円弱
37:32全体の6%に過ぎません
37:36では牛乳の輸出拡大のために狙うはアジア市場の拡大かそれとも他の地域か
37:48農業経済学が専門の北海道大学大学院の清水池淳教授によると
37:58日本の牛乳乳製品の輸出先として有望なのはやはり東南アジアの諸国だと思います
38:07東南アジアはまだ人口もこれから増えていく地域ですし
38:13経済成長もこれからどんどん進んでいきます
38:151年半前牛乳乳製品の輸出に積極的な北海道がシンガポールで反則イベントを開きました
38:26日本のロングライフ牛乳を現地の人に飲んでもらった漢方は
38:35とてもおいしいです
38:39とてもおいしいです
38:40ありがとうございます
38:411万円牛
38:42じゃあテイスプレッシュ
38:44ステイススイート
38:46ベイベイベイベイベイベイグローバス
38:533年前の国連の予測では2032年までに東南アジアで牛乳乳製品の需要が1600万トンも増えるそうです
39:06基本的には輸入彼らから見ると輸入品が多いんです
39:12ですからそういう観点で言うとイメージも良くてですね
39:16距離的にも近い日本の牛乳乳製品というのは
39:18特に東南アジアで大きな可能性があるのではないかと思っています
39:22うんまだまだ開けますよ日本よりも気温の高い国へ輸出を増やそうとはいあったかいところっていうのは牧場できにくい牛はまず暑さに弱いっていうところがあるんですよはあはあ人間に比べておよそ10度ほど暑さに弱いって言われてて20度ぐらいから暑いなっていうストレスを感じ始めるんですよ
39:48なので日本の北海道とか高原地帯で落納が盛んになっているのもそれが理由でやはり東南アジアとか暑いじゃないですか
39:57なのでどうしても生産性が落ちてしまうとそういうところに輸出するチャンスもあるし
40:02プラスこの日本の独自の牛乳を飲むっていう文化はその落納家だけじゃなくて
40:08例えば流通業者さんとか加工業者さん乳業メーカーさんなどのいろんな技術っていうのは本当に世界一だと思ってるんですよ
40:17本当にその丸ごとのパッケージを輸出していけば海外に新鮮に受け止められるし
40:22新しい飲み物として受け入れられるんじゃないかなっていうかなり可能性としてはあるんじゃないかなというふうに考えています
40:29ということはロングライフに限らずチルドも輸出できるのではないか
40:33そうですねロングライフは確かに輸出しやすいっていう面はあるんですけど
40:37この新鮮でおいしい牛乳を海外の人にも飲んでもらいたいっていう気持ちも落納家としてはありますね
40:44そういう技術がまたどんどん進んでるでしょそうですね
40:48冷蔵されたチルド牛乳の海外輸出もしてはいますが賞味期限の短さもありロングライフ牛乳ほどではありません
40:59この後はチルド牛乳輸出の新たな切り札をご紹介します
41:072050年落納の未来へ向けて
41:17日本の新鮮なチルド牛乳輸出の新たな切り札とは
41:24ここでニュース一つご紹介します
41:27日本の冷蔵されたチルド牛乳に新たな技術が導入され始めています
41:33冷凍牛乳で世界へ冷凍はおいしくない説を覆す
41:38牛乳の常識を変える急速冷凍期
41:41これまでは冷蔵で7日間しかなかった賞味期限の牛乳が3ヶ月に賞味期限が伸びたそうです
41:48この冷凍牛乳を飲んだ人は甘くておいしいこれは砂糖が入っているのか
41:53冷凍しても味が落ちないという声が上がっているそうです
41:58うれしいニュースばっかりじゃないですか
42:01そうですねなんか明るい未来が見えてきましたね
42:04これまで牛乳って冷凍するとおいしくなくなるって言われてきたんですけれども
42:09なぜこの技術を使うとおいしいままなのか
42:14そのメカニズムVTRに求めましたのでご覧ください
42:17こちらの急速冷凍期に牛乳のボトルを入れます
42:24氷点下30度の液体のアルコールで急速冷凍させることで
42:32おいしさはそのままに長期保存が可能になるそうです
42:3730分後
42:41完全に凍っています
42:45今まで牛乳を冷凍することは風味を損なうとして
42:53基本的に避けられてきました
42:55牛乳に含まれる水分が凍って結晶化し
43:02タンパク質や脂肪分の粒を壊して分離させるため
43:06風味や飲み口が悪くなるからです
43:09一方この冷凍技術は牛乳を短時間で一気に凍らせるため
43:18水分の結晶がごく小さく
43:21成分を壊さず風味を保ったまま
43:25賞味期限を90日まで伸ばすことを可能にしました
43:29この冷凍牛乳こそ東南アジアで需要があると
43:37清水池淳教授は言います
43:39東南アジアではロングライフミルクが主流だと思います
43:46ですから日本のチルド牛乳というのは新鮮だということもあって
43:52凍結することによって品質を保持した状態で輸出できるという取り組みは
43:57非常に意味がある取り組みなのではないかと思います
44:00これは嬉しいニュースじゃないですか
44:03そうですね この先日本で人口が増えていくということはない
44:07基本的には減っていく
44:09でもより多くの人に飲んでもらえるということは
44:13本当に夢があることだし
44:14その牛乳がおいしいということプラス
44:17朝霧高原とか日本の牧場を見に来て
44:21すごいいいところだなって経験してもらう
44:23というようなことにもつながるし
44:25何よりも受給のバランスは非常に難しいので
44:29ある程度余裕を持って生産をしておきたいと
44:32余ったとしてもそれを輸出することで
44:35いざという時に牛乳が足りなくなるということがないように
44:39していきたいというところがあって
44:40それは食べ物はみんなそうですよね
44:42そうなんですよ
44:43お米もそうですよね
44:44足りなきゃ何か狂ってくるから
44:48いろんなことがね
44:49楽能は特に足りなくなったとしても
44:53急に増やすことができないんですよ
44:55やっぱりある程度余裕を持って生産をしていきたい
44:59そのために輸出をすることで
45:01安定した経営ができるということが
45:04本当に望むところですね
45:06そうだろうね
45:07何感じました?
45:09うちの子どもたちも牛乳大好きで毎日飲んでいるので
45:12この環境がちゃんと維持されればいいなというふうに思いました
45:15今現状は本当にお困りなのかもしれないけれど
45:20先々は明るいじゃないですか
45:22まだまだ可能性はたくさんあると思っています
45:24それ嬉しかったんだけど
45:26そうですね
45:27やりようだなという気がしました
45:30ありがとうございました