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  • 一昨日

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トランスクリプション
00:008時過ぎ、オフィス街の中心で中年男性が首を絞められて殺されるという事件が起きました
00:05やだ、うちの診療所の近くじゃない
00:08事件発生時は通勤時間帯にあたり、かなりの通行量があったにもかかわらず
00:13犯人の姿を目撃したという人が一向に現れないため、警察では
00:18なんか帰りたくないのよ
00:20もう行っちゃう
00:21ごめん、カウンセリングのファイルが止まっちゃってそろそろ整理しとかないと
00:27去年のもまだ残ってんの
00:29なるべく早く切り上げて5時には戻る
00:32分かってるけど
00:33萌え、前より少し冷めてない
00:37最近距離を感じる
00:41萌えの背中が遠くなった
00:45そんなことないよ
00:47今が忙しいだけ
00:495時には戻る
00:59待ってて coal匹市に上がる
01:05右上に落下とか
01:17おいretに行く下がる
01:19また見上げられた
01:21実測感支援の恐怖
01:31対人的総合性の欠如引きこもり
01:36理想化と漕け下ろしを繰り返す不安定な事故事
01:51いけない
01:55誰だっけこの人
01:57私のクライアント
02:01見つけは入れてないか
02:18ここで見たのは間違いない
02:20素晴らしい事が起こったんです
02:26だから聞いてもらいたくて
02:30私は追い詰められていた
02:33山中ボーッとガスのようなそんな感覚に襲われて
02:38やがて私を取り巻く世界が遠くなっていたんです
02:44しかし
02:47今こうしてあなたの所に来たのは
02:51あまりにも素晴らしい事が起きたんで聞いてもらって
02:55それを記録に残してもらおうと思ったんです
02:59何が痛いのこの男
03:05何をおっしゃりたいんですか
03:07誰今の声
03:09何があったか具体的に話していただかないと分かりませんよ
03:13やっぱり私と
03:15私この男見てるんだ
03:17どこから話せばいいのかな
03:19家の話
03:21あっ
03:23まず会社の話から
03:25私ね
03:27営業やってるんですよ
03:29でもこれが全く私に向いてない
03:31先方に営業に入ろうとすると
03:35足が止まっちゃうんです
03:37自分は相手の仕事を邪魔するゴキブリのような存在なんじゃないかって
03:43自分を考えてしまって
03:45適正に合わないことを仕事としてプレッシャーをかけられている
03:47それで相手先の周りをウロウロして
03:51喫茶店を出たり入ったり出たり入ったり
03:55そんなことで時間が過ぎて結局派手自身前に一日が終わっちゃうんです
03:59設定された目標や目的が達成できないまま毎日を繰り返す
04:03精神的不衛成果がこの男に積もり
04:06やがてうち状態を引き起こし
04:08イメージトレーニングなんかもやってみたんですけど
04:11上司となられるイメージとか
04:14取引してる会社に商談を打ち切りにされるとか
04:18嫌なイメージしか浮かんでこないんです
04:21ついに不安神経症に陥る
04:24分かりました
04:25職場ではどんな雰囲気ですか
04:28うまく営業できないことについて
04:31実際上司や他の皆さんは何か
04:34何も?
04:35何か言ってくる人はいないんですか?
04:37いません
04:39でも
04:40担当地域をどんどん変えられるとか
04:43地方を任されるんですが
04:45出張費は出してくれないとか
04:47そういうことはありますよ
04:49でも
04:51やるしかないんですよね仕事ですから
04:54そうよ
04:55いいじゃない
04:56自分から解決策を見つけようとしてる
04:58そうですよ
04:59あなたはあなたなりに頑張ればいいんです
05:02でも頑張れないんです
05:04ダメだ
05:06勇気付けは効かないタイプ
05:07それに自己洞察して自分を決めつけている
05:10話題は変えるしかない
05:12ところでご家族はいらっしゃるんですか?
05:14いますよ
05:15私以外に2人
05:17家内と娘
05:19娘は高校のもうすぐ2年
05:21家内とは18年目で親類に勧められた見合いでした
05:26それでご家族はあなたに対してどのように振る舞われていますか?
05:31振る舞う?
05:33例えば最近奥さんと交わした会話はどんな内容でしたか?
05:37小言です
05:39小言?小言というのは?
05:42私が邪魔だって言うんです
05:44日曜も会社に行けって
05:46それであなたは何か言い返しましたか?
05:49ええ
05:50休日出勤は認められないよって
05:54それで奥さんは?
05:56鼻でふんっと笑いました
05:59お嬢さんはどうなんですか?
06:03もう1年も口を聞いてくれません
06:06話しかけても振り向いてもくれません
06:09実は今の家内との会話も1年以上も前のことです
06:16この家族みんな問題ありだ
06:183人揃えて家族療法を試みる必要がある
06:21奥さんとお嬢さんが話しているときに
06:23割り込んでみたらどうですか?
06:25やってみましたそういうことも
06:27でも家内と娘の会話に何の変化ももたらせません
06:32結局私はバカみたいに
06:35うなずいてるだけになっちゃうんですよ
06:37閉塞状況に歪んだ自己分析を伴う
06:40しかも物語化しているところに
06:42この男の治療の難しさがあります
06:44分かりました
06:45あなたが辛いことは
06:47まずは家族環境の方から
06:50辛い?
06:51どういうことです?
06:52辛いんでしょ?
06:54会社でも家庭でも
06:55あなたは辛い状況にあるわけですよ
06:57そうですね
06:58辛い状況にあったわけです
07:00あった?
07:02ある日ふと気づいたんです
07:04自分がストレスを感じるどころか楽しくなっていることに
07:08奥さんやお嬢さん
07:09会社の上司
07:10同僚の方たちが
07:11話しかけてくれるようになったんですか?
07:13いえ
07:14今じゃ私のことを見ることさえしません
07:16現実逃避が始まっていた
07:19あって
07:20それも回復へのプロセスか
07:22そんな状況が楽しいって言うんですか?
07:24そうです
07:25だって
07:27私を苦しめていたものは何だと思います?
07:32仕事は私を苦しめたらしませんよ
07:35家庭もそうです
07:37それは
07:40人間です
07:42まずい
07:45コミュニケーション障害を超えて
07:47微人症性障害に近づいてる
07:49初めから私は関係しなければよかったんです
07:52そうすれば人間もいなくなるんです
07:54自己愛性心格障害にこうした
07:57待ってください
07:58存在しているものを
08:00勝手に自分の都合で存在しないものにしちゃいけませんよ
08:03でも存在しないこれは例えではありませんよ
08:06私の周りに人間は存在してないんです
08:09でも変ですよ
08:10私が存在しているから
08:12会話ができるんじゃないですか?
08:13あなたが存在するのは
08:15あなたに私が話しかけて関係してるからです
08:19存在とは
08:21観測されることで始まります
08:24観測するから存在し
08:26存在しないものは観測できない
08:28完全な妄想性人格障害だ
08:30私は間もなく
08:33完全に人間との関係を立ちます
08:36つまり
08:37私は存在しなくなる
08:40死の音してるの?
08:42でもそれは
08:43私の前から
08:45この世界も存在しなくなるということです
08:49いいですか?
08:50もしあなたが消えたとして
08:53あなたがいない世界というのが存在しているかもしれませんが
08:56世界がないあなたというのは存在しようがないじゃないですか
08:59確かになくなるんですよこの世界が
09:03それを理解できないのは
09:05それを理解できないのは
09:08あなたが私に観測されて存在しているに過ぎないからです
09:13私はあなたに会う前から存在していました
09:15昨日も1年前も
09:17私が観測し存在した瞬間に
09:20記憶というものが作られるものなんです
09:25それと
09:27この世界がなくなっても
09:29私は存在できるんです
09:32あの世界が存在しますから
09:35あの世界?
09:37あの世界?
09:38そう
09:39影の世界です
09:41影?
09:42影は何の象徴?
09:44先生たまに
09:46家にいて変な音を聞いたり
09:48妙な気配を感じたりすることがあるでしょう?
09:51あれって
09:53影たちがやってるんですよ
09:56待ってください
09:58これは夢か何かの話ですか?
10:00私も初めは気のせいだと思いました
10:03建築材料の違いで
10:05部屋の温度が変わると
10:07岸の音がしますからね
10:10でもしばらくすると
10:13音や気配じゃ済まされないことが起きたんです
10:17布団の中で本を読んでると
10:21勝手にページがめくれたり
10:26風呂場で頭を洗ってると
10:29背中を冷たい手が触ったり
10:32その頃
10:35人と話をしなくなって9ヶ月が過ぎていました
10:40そして
10:42ついに見てしまったんです
10:46それは
10:48わずかな隙間に隠れていました
10:52タンスの間
10:55部屋の隅の暗がり
10:58クロスをかけたテーブルの下
11:00非常に気が付きていました
11:02でも
11:03今では親しみを覚えています
11:09よく見えるようにもなりました
11:12私今
11:14影の世界に近くなってるんです
11:19今もほら
11:23そこであなたを見てますよ
11:27それと
11:29私もともと影の世界に住まなくちゃいけなかったみたいなんです
11:34それを間違えて
11:36だから戻らなくちゃいけないんです
11:39とにかく治療を始めましょう
11:42治療してくれなんて頼んでもせんよ
11:45カウンセリングに来たのはあなたですよ
11:47あなたに話を聞いてもらい
11:49それを記録に残してほしいからここに来たんです
11:53また募集してますよ
11:55この世界が消えるならこのVTRの記録も存在しなくなるんじゃないですか
11:59そうです消えます
12:00でももう少し時間があります
12:03では治療は次回進めましょう
12:06今日はこれで
12:08次回分かってないですね
12:09私は影の国に戻っちゃうんですよ
12:14影の国の存在だった私が間違ってこの世界にいた
12:19そしてあなたたちを観測していた
12:21その私が間もなく影の国に戻る
12:26これ大切な話なんですよ
12:29仕方ない
12:31やってみせますか
12:34何するつもりですか
12:36安心してください
12:37私に起きることを見ててくれればいいんです
12:40私がちょっと影の世界に行ってみせれば
12:45先生も信じてくれるでしょう
12:47帰ってください
12:48すぐに帰ってください
12:51これまだ映ってますよね
12:53たとえ先生の記憶から消えても
12:56このビデオに残されてれば
12:59このことを誰かに伝えることができる
13:03私は
13:05ただの自己満足です
13:06先生がまた見てくれるかもしれない
13:09帰らないと誰かに怒らないんですよ
13:12なんでこの男のこと
13:14よーく見ててくださいね
13:15先生
13:17では
13:19始めるから
13:25私こんな異常な男のことを忘れたの
13:28なんで
13:29いつも
13:32辛いおかれ
13:34いつも
13:36あっ
13:37あっ
13:38うれしいなぁ
13:42やっぱり先生見てくれた
13:44どうですね
13:47私立派な影になってたでしょ
13:50どこから
13:51どこから入ったの
13:54嫌だな先生
13:55ずっといましたよここに
13:58つい1時間ほど前までずっと話してたじゃないですか
14:01うそ
14:02勝手に入らないで
14:03ドアを開けて
14:05ここに座るように行ってくださったのは先生ですよ
14:09私がちょうど午後1時にここに来たとき
14:12歩いてるの
14:13私は午後1時にここに来て
14:16ちょっと一人でファイルを
14:17そう
14:18先生は急にコンピューターのファイルを開いて
14:21ビデオを見始めた
14:22私のカウンセリングしたばかり
14:25ふざけないで
14:27私は今日ここに来て誰でも会ってません
14:30だってほらまだカメラつながってますよ
14:33コンピューターに
14:36それは違います
14:38バカな
14:40それじゃあ先生
14:41今何時です
14:44分かってくれましたか
14:53影の世界の存在を
14:55私が影の世界に入ると
14:59ここでは存在しない存在になる
15:02だから今
15:03あなたの記憶からも消えた
15:06やめて
15:08そんなことのない嘘
15:11やめなさい
15:14今日あなたは二度
15:15私を観察した
15:18一度はここで対面して
15:22もう一度はビデオで
15:26どうですね
15:28逃げようのない消防所
15:32失礼
15:33
15:35
15:37
15:38ここで私は
15:42誰に待ってない
15:43もうすぐですよ先生
15:48私が影の国に戻って
15:52観測を置いてしまうのは
15:55それと影たちはね
15:59待ちきれずに
16:02人間に手をかけて
16:03遊び始めたみたいですよ
16:06事件発生時は
16:07私の時間帯にある
16:08首を絞められた者と見られ
16:10私は
16:40私は
17:10私は
17:40あの男が話したことは
17:46あの男なりの真実であったのだろう
17:49しかしあれは
17:50ただの異常な男の妄想に過ぎない
17:53私は影響されて
17:55惑わされていた
17:56ただ
17:58秋広は消えた
18:00しかし私の心に矛盾が生じて
18:04渦巻いている
18:05こうして
18:06こうしてここに記録を残していること自体
18:08私の記憶から
18:10あの男のことが消えても
18:12この出来事を誰かに伝えることができるだろう
18:15という思いがあるからだ
18:16そしてまたこの行為は
18:19私が意識を持ち続けているということを
18:21自らに証明することの意味でもあり
18:24こうして記録を続けている私は
18:27今も確かに存在
18:28ご視聴ありがとうございました