Dragon Zakura tells the story of a poor lawyer who is also a former member of a motorcycle gang trying to prepare 6 students from a school with an average score of 36 out of 100 to take the entrance exam for the most famous university in Japan, Tokyo University (Todai).
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00:00このドラマは、元暴走族の貧乏弁護士が、原作36の落ちこぼれ高校生たちを、学歴社会の最高峰、東京大学に電撃合格させるまでを描く奇跡と感動の曲である。
00:30ちょっと、夏休みが、高校最後の夏休みが、こんなにまずい。
00:36秀木、さっきからそればっかり、うるさい。
00:39だってさ、高1の夏は、初めて女の子とチューしたわけ。
00:43いいなぁ。
00:44でね、高2の夏は、初めて女の子のおっぱいを触ったわけ。
00:48やばくやめてよ。
00:50何それ。
00:51でね、今年、高3の夏は、
00:53ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャン!
00:58なんもなかった!
01:00なんだ。
01:01だからさ、どう?
01:02青春最後の思い出に、
01:03牧ちゃん、あるいは野Buちゃん、
01:05俺とあんなてたやこんなこと、
01:07そしてめくるめく夜を!
01:08バカ!
01:09バカ。
01:10みんなだってさ、このままでいいわけ。
01:14いつか大人になって、
01:15青春最後の作り出である高校最後の夏を思い出したとき。
01:19ああ、あの夏は勉強ばっかりだったな、とかで
01:22いいわけ?
01:24手がいいんだから
01:25そういうことか
01:26じゃあ夏休み最終日にやったテストを返すぞ
01:29とりこえ、奥野、65点
01:32おーい
01:34小林、高坂、尾形、揃って60点
01:38おーい
01:40水野、55点
01:42おーい
01:44やめてよ、何がおーい
01:46大沢、45点
01:48おーい
01:50ここは行ってよ
01:51というわけで、2学期初日のバカ八幕が矢島だ
01:55自分でしろ
01:58上等だ
02:00俺、これからグイッと行くからな
02:05このバカ八幕、矢島のところが指定席になっちゃったね
02:10じゃあいっそ名前変えちゃおうか
02:12いや、俺のね
02:1412学期は、芥山先生の特別授業から始めるぞ
02:18特別授業?
02:20今までのは特別じゃなかったの?
02:22特別の中の特別
02:26これはね、秋から爆発的に偏差値を伸ばしていくためには
02:31絶対必要な授業なのです
02:34さて試験において一番大切な力は何だと思う?
02:38井野
02:39なんでいつも爽やかで突然私に話を振るんですか
02:43さっさと答えろよ
02:45えっと
02:48英語?
02:49このうすらった箱、見せろ
02:52諦めない心?
02:54それは確かに大事なんだから
02:56今具体的な力のこと聞いてんだ
02:59奥野
03:02友情?
03:04だから具体的な力だと言ってんだろ
03:07全ての教会に通じる力は正しく読むということです
03:13問題を正しく読む
03:15相手の言ってることを正しく理解する
03:18なんか超当たり前?
03:20何だかピンとこないようですな
03:23それじゃあね、問題を出しましょう
03:29これはとある歌詞の一部です
03:32これからわかる二人の関係、そして現在の状況を答えなさい
03:37水野さん、読んでください
03:39はい
03:40彼女は彼の髭を剃る
03:43彼の髪をすく
03:45彼が椅子を探すのも手助けするし
03:48彼のために料理をする
03:51彼の口を拭いてあげるし
03:53外が見えるように窓も拭く
03:56彼のために本も読むし
03:58彼に呼びかける
04:01毎日が同じ繰り返し
04:03彼女は深い溜息をつく
04:06彼がいなくて寂しいから
04:08髭を剃ったり料理をしたり
04:11なんか楽しそう
04:12この彼女一途だよね
04:14彼のために尽くしてて
04:16いいな
04:17でも最後に寂しいって言ってるよ
04:21わかった!失恋の歌なんだこれ
04:24他に女がいるとか
04:26全くの不正解
04:29井野先生はこの詩をどう読みますか
04:33そうですね
04:35確かに髭を剃ったり
04:38髪をすくというのは
04:40彼に尽くす行為ですけれど
04:43口を拭いたり
04:44外が見えるように窓を拭くっていうのは
04:47少し度が過ぎてるような
04:51もしかしたら
04:53この彼は病気で
04:54体が不自由なんじゃないかしら
04:57でも椅子を探すって書いてあるから
04:59体は動くわけだし
05:02呼びかける毎日が同じ繰り返し
05:09そっか
05:11彼は脳に障害か何かがあって
05:13彼女のことがわからない
05:15だから彼がいなくて寂しい
05:20まあ以下は省略しますが
05:22実はこの後に間言が出てくるんだね
05:26つまりこの歌は老夫婦の日常を描いたもの
05:31介護の日々の切なさ
05:34悲しさが伝わってくる
05:36井野先生大正解
05:40他の女だなんて
05:42プーちゃんだって失恋の歌って言ってたじゃないの
05:44まあこのようにね
05:46読むというの実は難しい
05:49表面だけをさっと撫でるような読み方では
05:53大変な間違いをつけしまいます
05:55直接は書かれていない
05:57この量感を読み取る力
06:01これこそが正しく読む力なのです
06:06やっぱ読書はたくさんしなきゃいけないってことか
06:09それは違います
06:13これからはこの授業の本番だ
06:15みんな外に行くぞ
06:46この曲は
06:49私のお気に召し上がり
06:51私のお気に召し上がり
06:53私のお気に召し上がり
06:55私のお気に召し上がり
06:57私のお気に召し上がり
06:59私のお気に召し上がり
07:01私のお気に召し上がり
07:03私のお気に召し上がり
07:05私のお気に召し上がり
07:07私のお気に召し上がり
07:09私のお気に召し上がり
07:11私のお気に召し上がり
07:13私のお気に召し上がり
07:15私のお気に召し上がり
07:17私のお気に召し上がり
07:19私のお気に召し上がり
07:21私のお気に召し上がり
07:23私のお気に召し上がり
07:25私のお気に召し上がり
07:27私のお気に召し上がり
07:29私のお気に召し上がり
07:31私のお気に召し上がり
07:33私のお気に召し上がり
07:35私のお気に召し上がり
07:37私のお気に召し上がり
07:39私のお気に召し上がり
07:41私のお気に召し上がり
07:43私のお気に召し上がり
07:45私のお気に召し上がり
07:47私のお気に召し上がり
07:49私のお気に召し上がり
07:51私のお気に召し上がり
07:53私のお気に召し上がり
07:55私のお気に召し上がり
07:57私のお気に召し上がり
07:59私のお気に召し上がり
08:01私のお気に召し上がり
08:03私のお気に召し上がり
08:05私のお気に召し上がり
08:07国語は問題も日本語なら答えも日本語
08:11だから適当に書いても当たる気がしてしまう
08:14でも国語ってどうやって勉強したらいいか
08:17よくわかんないんですよ
08:19そうそう
08:20今だって街ぶらぶらして何の勉強になるの?
08:23ねえ八島
08:24あ、あ、まあ読むのもねしな
08:28そんなことありませんよ
08:30様々なものから様々なことが読み取れます
08:33あ、あ、例えばほらこの駅の表示板は
08:38日本語、英語、中国語、韓国語で表記されております
08:44なぜだろう奥野君
08:47外国から日本に来る人が多くなったから
08:51しかし以前から多かったはずですよ
08:53特に東京はねえ
08:56ねえ八島君
08:59前よりもっともっと増えたから
09:02じゃあ今なぜ外国人が多くなったんでしょう
09:08わかったワールドカップじゃない
09:10そうだよ韓国とやったもんね
09:12うん
09:13では中国の人はどうでしょう
09:16中国の人も日本に遊びに来るようになったんじゃないでしょうか
09:20それはなぜ
09:23ああもうめんどくさいなあ
09:25さっきからいちいちなぜとかどうしてとか
09:28そんなことどうでもいいじゃん
09:31水野さんだからあなたは今までバカだったんです
09:37そんな八島先生までそんなこと
09:40どうでもいいじゃんと言ってしまっては
09:42そこで投げ出して思考が停止してしまいます
09:45周囲に好奇心を持たなければ
09:48他に何一つ身につくことはありません
09:52お前らしっかり考えろ
09:55周りよく見てみろ
09:57普段よく見るのはああいう日本語と英語の看板だろ
10:00てことはだこういう四カ国語の看板は比較的新しいと考えられる
10:05てことは中国や韓国の人は最近日本に来たってこと
10:10だんだんお金持ちになったのかな
10:13だとしたらや
10:15昔と比べて韓国や中国がどのくらい発展したのか
10:18日本にどういう影響を与えたのか
10:20そういうことを調べてみてよ
10:22自分なりの論理を構築するんだよ
10:24そうそれこそが知的好奇心を満たすことです
10:29このように一枚の表示板からも
10:32いろいろなことが推測され読み取れます
10:34つまり正しく読むということは
10:37その背後に隠された情報を正しく推測し
10:41読み取ろうとすることなのです
10:43なぜそうなんだろう
10:45なぜこうなんだろう
10:47そういう疑問をいつも持つことで
10:50正しく読む力を養うことができるんです
10:54ではもう少し見てみましょう
11:00なぜ読みないんだろう
11:05双子より
11:07秀樹より
11:10吉野より
11:12松尾
11:14そしてルーより
11:17なんで成績上がらないんだ
11:20俺誰よりも必死に勉強してんのに
11:24特進2だって一番最初に入ったのに
11:28いつの間にこんなダセーこと考えるのになっちゃったんだろう
11:34矢島
11:36しけた面だなお前
11:38うるさい
11:42やれやれ
11:46よしじゃあ俺たちファミレスで勉強してくっかね
11:50双子家の中じゃ針のむしろなんだって
11:52わざと難しい言葉使っちゃって
11:55すいませんお付き合いいただいてありがとうございます
11:59じゃあな
12:01バイバイ
12:04もう大丈夫か
12:07昨日うちのお店お惣菜待っちゃったらしくてさ
12:11よかったら持って帰んない
12:14いいや
12:16じゃあな
12:18俺たちリュウザ負けないぞ
12:23お疲れさん
12:321年生にも2学期から特進クラスを設けるだなんて
12:37生徒たちがついてきませんよ
12:39なんか馬鹿な上に暗い学校になりそうですね
12:42カークルマガタガタうるさいでしょ
12:45勉強するイコールネクラってのはあんたたちの妄想だ
12:48目標を持たずプラプラ遊んでる人間のほうが
12:50よっぽどストレスがたまっていて人生のむなしさに
12:53イラついたりする
12:55特進クラスの矢島がなんか暗い顔して歩いてましたよ
12:57ほーら
12:58所詮この学校に勉強は似合いません
13:01こんなに勉強勉強って
13:03夢のない学校じゃ
13:05今度の高校合同説明会はうちは絶望的ですね
13:09高校合同説明会って
13:11そんなのあるんですか
13:13あらご存じなかったんですか
13:16毎年この時期に
13:18来年度の入学者用の合同説明会があるんですよ
13:21我が校は毎年参加してるんですよ
13:24聞いてないぞ
13:26ったく
13:28理事長に確認すっか
13:30理事長
13:38旅行中
13:40俺はもう二学期だぞ
13:43まだって
13:45理事長はいつこれをここに置いてったんでしょう
13:49Xメートル伸びたバネに蓄えられてるエネルギーは
13:531分の1KX以上である
13:56Yes or No
13:58Yes
14:00Next
14:02質量Mの物体をHメートル持ち上げるのに必要な仕事量は
14:07FGH
14:09Yes
14:10OK
14:13振動数μの格子の持つエネルギーはHμ
14:17Yes
14:19ところで俺と一致してみる気ない
14:22なんだよ
14:23せっかくこのリズムに合わせて騙されるかなって思ったのにさ
14:27いいよ
14:29どうしてもって言うならいいよ
14:31東大良かった後ならね
14:33俺マジ燃えてきた
14:35やべ
14:43おかえり
14:48母ちゃん俺今日晩飯作るわ
14:52勉強
14:54どうしたの
14:56料理なんかしたことなかったじゃない
14:58大丈夫大丈夫
15:13ただいま
15:20どうしたのお母さん
15:22うん何でもない早く勉強しなさい
15:26言われなくてもそうします
15:30もうちょっとお母さんなにやってんの
15:33お母さん
15:34お母さん
15:38私の
15:46お母さん
15:49お母さん
15:51お母さん
15:53お母さん
15:57お母さん、お母さん、大丈夫?
16:04救急車?
16:07お母さん、お母さん、大丈夫?
16:13何をやって面白くない?
16:27お前らって若い頃育ったろ?
16:29はっ、失礼。昔過ぎて忘れたか?
16:32昔たなんて、たった10年前のことじゃないですか。
16:35えっ、もう10年前?
16:38奴らが精神的に成長するためにはな、満腹感ではなく、気が感が必要なんだ。
16:44気が感?
16:45いつも何かが足りねえ。その心の空白を埋めるために何をどうすればいいか、ひたすら考え続ける。
16:52そういう時間がな、ガキどもには必要なんだよ。
16:56ガキどもって?
16:58あ、じゃあ、学校は何のためにあるんですか?
17:02人間の集中力の限界は1時間半だ。
17:05柳先生、まだいらっしゃったんですか?
17:07生徒たちだけじゃないぞ、お前らもだ。少しは休め。
17:11それは分かっているんですが。
17:12柳先生は、今の桜木先生の話についてどう思われますか?
17:17桜木先生の言うように、学校は大学受験のための予備校のような場所であっていいと思われますか?
17:23井野先生の考える学校というのは、ビニールの温室のようですな。
17:28えっ?
17:29温室育ちの綺麗なトマトは、温室がなくなれば育たない。
17:33それでは困る。
17:34高校ででも、一人で生きていけるだけのたくましさを身につけてもらわないと。
17:40例えるなら、大地の畑から掘り出すジャガイモだ。
17:45ジャガイモ?
17:49ジャガイモ?
17:51柳先生のおっしゃる通りだ。
17:53嵐やヒデリに負けず、害虫と戦い、大地に根を張り、養分を蓄え、たくましく成長する。
18:02そういうジャガイモを世に送り出すのが、竜山高校特訓クラスだ。
18:06そのためには、やらなきゃいけないことがたくさんある。
18:09例えば、親の問題だ。
18:12親?
18:132学期に入りな、生徒たちの家庭関係はますます重要になる。
18:17あ、そうだ。
18:18そろそろ一度、受験生を持つ親の心得、親たちにレクチャーする必要があるな。
18:23井野、連絡を回してきて。
18:26だから桜木、矢島の悩みは家庭では解決できないぞ。
18:32努力したのに報われない。
18:34それが一番人の心の根っこを傷つける。
18:37矢島は精一杯の努力をしてたからな。
18:41乗り越えられるかどうかは半々というところだろう。
18:45確かに矢島はここまで伸び悩むと、正直意外でしたね。
18:50余計なことにくよくよ考えるタイプだからな、矢島は。
18:54高校時代のお前にそっくりだよ。
18:56え?桜木先生がくよくよ?
18:59俺はくよくよなんかしてませんでしたよ。
19:01いやいや、その証拠にいろんな相手にすぐ噛みついていただろう。
19:05吠える犬ほど実は繊細でナイブだということだ。
19:09犬はやめてください、犬は。
19:11あんまりすぐに人様に噛みつくから、
19:14わしが身元被疑犬人にならなかったら、お前は保健所送りになっていたはずだ。
19:20その時そのままにしておいてほしかった。
19:24しかし、自力で乗り越えられますかね、矢島。
19:29お前のサポート次第だよ。
19:32どうぞ。
19:50あの、お母さんは?
19:54脳梗塞です。
19:56幸い処置が早く、大事にはいたりませんでした。
20:03ああ、よかった。
20:07ただ…
20:33全然音出ないよ。
20:55うわっ!
20:56え?
20:58ここ風強いね。
21:00目にゴミが入っちゃった。
21:05ゴミ?
21:06うん、ゴミ。
21:11何してんだ。
21:13女がこんな時間に一人でほっつき歩いてんじゃねえや。
21:18何してんだよ。
21:20何してんだよ。
21:22女がこんな時間に一人でほっつき歩いてんじゃねえや。
21:28矢島こそ何。
21:30試験の成績が悪かったからって、一人でこんなとこでいじけてんじゃないの。
21:35いじけてねえや。
21:37いじけてる。
21:39いじけてねえって。
21:42クラスでもバカハチ巻き巻かれる度に、わざと暗い顔しちゃって、みんな気にしてるよ。
21:55何?怒ったの?
21:58そうじゃねえけど。
22:00怒ってんじゃん。
22:02怒ってねえよ。
22:04その言い方が怒ってるよ。
22:07お前な、そんなことばっか言ってって、襲うぞ。
22:16そんな勇気ないくせに。
22:26お前、何かあった?
22:31お前、お前、言わないでよ。
22:37どうした?
22:46実はさ、
22:57やっぱ何でもない。
22:59だめや。
23:01優しぶらないでよ。
23:03彼女いるくせに。
23:05どういう理屈だよ。
23:07女が泣いてたら、どうしたくらい聞くだろう。
23:11なるほどね。
23:13誰が相手でも聞くんだ。
23:19ああ、めんどくせえな。
23:21お前じゃなきゃ聞かねえよ。
23:25俺だってな、いろいろテンパってんだ。
23:29人にかまってる時間なんかねえって言っても。
23:32お前じゃなきゃ聞かねえよ。
23:38あのさ、
23:43忘れてね。
24:02ありがとう。
24:33なんか元気出た。
24:38じゃあね。
24:43ああ、いつまでもそんなとこで暴らうてないで。
24:46早く帰れよ。
25:02早く帰れよ。
25:32保護者の方、みなさんいらっしゃいました。
25:34あ、保護者。
25:36あ、でも矢島君のお母さんが就職の面接で来られないのと、
25:41あと、水野さんのお母さんが過労で倒れたって。
25:46過労?
25:47でももう退院はされたらしいんです。
25:49今日は大丈夫とってお休みされてますけど、そんなに大変なことではないみたいです。
25:54それは水野がそう言ったのか。
25:56はい、そうですけど。
26:03おはようゆうすけ。
26:05おう。
26:06ねえ、この問題の解き方これでいいのかな?
26:10ゆうすけ?
26:11おう、どこ?
26:13ここなんだけど。
26:15うわ、やば!
26:18なーに自主プリンター打てに興奮してんのよ!
26:21いや、その問題を解けば解こうとさ、その熱いエッチに近づくと思うとさ。
26:27僕は?
26:29さあ、後で考えるわ。
26:50この度はお集まりいただきありがとうございます。
26:53あなたですか。
26:56東大受験なんて冗談を教えたのは、おかげでバカ息子がその気になって。
27:01子供をバカ呼ばれするということは親である。
27:04それとも東大に行けたら最高じゃないですか。
27:06うちは法人主義って言うんですか?
27:08マキが東大に受けたかったら受ければいいし、やめてんならやめればいいと思ってるんですよ。
27:14それは法人主義じゃなくて、無関心って言うんじゃないですか?
27:18でもあんなテレビなんかに映っちゃって。
27:21落ちたら恥ずかしいじゃない。
27:23今はお化粧よりお子さんのことを考えてください。
27:26なるほど。
27:28思った通りの0点ぶりですね。
27:31全員0点です。
27:37全員0点です。
27:39あなた方とお子さんの間にはきちんとした信頼関係がないんじゃないですか。
27:44ふん、説教か。くだらん。
27:47あなた、桜木先生。
27:50それぞれの家庭によって教育方針が違うんです。
27:53それに口を挟まないでもらえませんか。
27:56では、桜木さん。
27:58お宅の教育方針をぜひここでお聞かせ願いますか。
28:02うちは双子ですから、小さい頃から同じように育ててきたつもりです。
28:08でも大きくなって、二人の能力の違いに気がつきましてね。
28:12親としては一郎にこれ以上期待をかけるのはかわいそうだと思ってるんです。
28:17愚かですね。
28:20桜木の失敗こそ、今日本のいたるところで起きている家庭教育の失敗例です。
28:25失敗だなんて。
28:27皆さんご存知でしょうかね。
28:29子供は7歳ぐらいまでは直感的思考段階で育る状態にいて、
28:347歳から11歳ぐらいまでにかけて論理的思考が身につき始めるんだそうです。
28:39ここである実験をお見せしましょう。
28:41イノ。
28:42私ですか。
28:44同じ大きさのコップに同じ量のミルクが入っています。
28:48子供の目の前で片方を別のコップに移します。
28:52そしてどちらが多いか尋ねると、
28:54どっちが多い?
28:56両方同じ。
28:58分かんない。
28:59論理的思考の子は答えられるが、直感的思考段階の子供は答えられない。
29:04ここで大事なのは、この問題に答えられるかどうかと。
29:08そもそもの頭の良し悪しは、
29:11いや、バカです。
29:13子供ではなく、親がバカなんです。
29:16貴様、私を誰だと思ってるんだ。
29:19私は社員2000人を抱える社長だぞ。
29:22理屈で叶わないとなると大声を出す。
29:25いや、大会社の社長さんも暴走族と大した変わりはありませんだ。
29:30何だと?
29:31例えば、小川さん。
29:33あれだ、ひでき君と会話する時に、
29:35いつも自分の学生時代のことを引き合いに出してませんか。
29:38俺は小学校の時はもうこんなことができたとか、
29:42中学の時はこうだった。
29:44それに比べて、お前は何だとか。
29:47どうです?
29:51小川さんの奥さん。
29:53あなた、子供にやる気を出させるために、
29:56いつも必要以上に子供を褒めちぎっていませんか。
30:00あるいは小林さんのお母さん。
30:02あなた、子供の話を真面目に聞かず、
30:04いつもおざなりな同じ褒め言葉を使ってはいませんか。
30:08確かに褒めることは重要です。
30:11でも褒めすぎると、それが重りに感じることがあるんです。
30:16褒めている相手が、自分にもっと要求しているとさえ思えてくる。
30:20いや、私はそんなつもりでは。
30:22私だって。
30:23いいですか。褒めることは、おだてることじゃないんです。
30:28しかし大抵の人は、子供を褒めなければという思い込みだけで、
30:31無闇に褒めてしまう。
30:33あるいは、褒めていればいいだろうと、
30:35心のない褒め言葉を平気で使ってしまう。
30:38褒めちゃだめ。
30:39褒めちゃだめ。叱っちゃだめ。
30:41じゃあ家庭でどうしたらいいんですか。
30:43繰り返すんです。
30:46子供の話をきちんと聞く。
30:49そして子供の言葉を繰り返す。
30:53話を繰り返すことで、
30:55子供は親からきちんと話を聞いてもらえているんだという
30:58安心感を持つことができるんです。
31:00また繰り返すだけで、その先の結論を強要しないことにより、
31:05子供は親が自分のことをきちんと
31:08一個の人格として認めてくれているんだということを
31:10感じることができるわけです。
31:13ですからこの方法で、
31:15これからはお子さんとの対話をぜひ図ってください。
31:18家庭内の雰囲気は、
31:20景気的に変わるはずです。
31:28あれで保護者の方は納得されたんでしょうか。
31:31さあな、それより心配なのは生徒たちの方だ。
31:36矢島君ですよね。
31:39半分はな。
31:40え、半分?
31:42おい矢島、お前一緒暇か?
31:45は?
31:46暇だな。
31:47じゃあ10時には品川駅に水野の浴びて一緒に来い。
31:50そこに犬がいるから。
31:51ちょっと待て、俺まだ何も言ってないけど。
31:53お前ら二人には未来の後輩のために一肌脱いでもらうぞ。
31:56は?
31:57ああ、高校合同説明会。
32:00なんで俺がそんなんに行かなきゃいけないんだよ。
32:02うちの学校の売りは特進クラスである以上、
32:05そこは誰か連れてこないと当然だろう。
32:07だったら東大もしD判定だった双子とか、
32:09英語に強い牧とか連れてきゃいいじゃん。
32:11うじゅうじとめめしいスランプ野郎だろ、お前は。
32:14桜木先生。
32:15この時期の成績は関係ねえ。
32:17演説がグイッと上がるのは秋以降だって、
32:19お前もこの間言ってただろ。
32:21ところでよ、水野の様子はどうだ。
32:24よ、別に普通に楽しそうにやってるって言うの。
32:27訳わかんないし。
32:29訳わかんないって何が訳わかんないんだよ。
32:35まあいいや。
32:36お前明日遅れんなよ。
32:38桜木先生。
32:42楽しそうか。
33:00誰も来ないじゃない。
33:03やっぱりこの東大ってのはみんな引いてるんじゃないでしょうかね。
33:07パンフレット配ってあるか。
33:10その必要はありませんよ。
33:12一気に客を引き寄せましょう。
33:14そんなことできるんですかね。
33:16龍山高校です。
33:18あ、水野豊島。
33:22連れてきましたけど。
33:24いつごらんに座ってくれ。
33:26よく言うよ。
33:27あんたいつも言ってんじゃん。
33:28無駄な時間過ごすんなら勉強しろって。
33:30無駄かどうかそれはお前次第だ。
33:33ところでよ、どう思うよ。
33:38だからここに来てる親子連れだよ。
33:45お前もちゃんと見ろよ。
33:48親ばっか真剣で子供はみんな退屈そうだな。
33:52なぜだ。
33:54みんなどこの高校入っても一緒だと思ってんじゃない。
33:57なぜだ。
33:59まだ自分の人生に真剣じゃないから。
34:02あ、なるほど。
34:04じゃあなんで自分の人生に真剣じゃねえんだ。
34:07だってまだ小さな子供だよ。
34:10小さな子供。
34:12小さな子供。
34:15だってまだ中3だろ。
34:18答えになってねえ。
34:19水野、お前の答えは。
34:23多分実感が湧かないから。
34:27龍さんなんて聞いたことねえな。
34:295年後には超有名新学校になってますよ。
34:32あ、そう。
34:33じゃあ話だけでも聞いてこうかな。
34:35おい、左木、座れ。
34:37俺はいいよ。
34:38バンドの練習しちゃうんだよ。
34:40ほんの5分だよ。
34:41じゃないとお前、高校入ったら、
34:43ギター、あれなしにするぞ。
34:46分かったよ。
34:48どうぞ。
34:49俺さ、15で大分になってから、
34:53この腕一本でここまでやってきたんだよ。
34:56だから、学歴なんて関係ねえと思ってる。
34:59だから、東大なんて言われても、
35:02全然偉いと思わねえ。
35:04私も東大偉いと思ってますよ、お父さん。
35:07おう、話わかる先生じゃねえか。
35:11でもよ、見てくれよこいつ。
35:14こんな格好して、情けねえってならないし。
35:18高校入ったってさ、
35:20何の変哲もねえとこだったら、
35:23辞めちまうかもしれん。
35:25親の育て方が悪いと言われれば、
35:27それまでだが、
35:28もし、お宅に入学させれば、
35:31こいつでも、本当に東大に入れんの?
35:35はい。
35:36竜山高校の特訓クラスに入れば、
35:38これ100%東大に入れますよ。
35:40何?100%だと?
35:42ええ、100%です。
35:45100%東大合格なんて、
35:47オープラにも程があるよ。
35:49私だってね、
35:51どんな子でも東大に入れるとは言いませんよ。
35:53子供にもね、素質というものがあります。
35:57東大に入りやすいこと、
35:59そうでない子がいるんですよ。
36:01そうなんですか?
36:03その子が東大に行く素質があるかどうか、
36:06これは一目見ればわかります。
36:09あなたのお子さん、
36:11彼は東大に入れますよ。
36:13ほほう。
36:14じゃあさ、じゃあさ、
36:15うちの息子のどこにそんな素質を感じるか、
36:17言ってもらおうじゃないか。
36:19それはですね、
36:21息子さんの頭が、
36:23見るからに空っぽそうだからです。
36:27バカとこだろ!
36:29親に言って頭が空っぽなとこだろ!
36:32いくら出来の悪い息子だけど、
36:35触るんじゃねえよ!
36:37おい、とりかえせよ!
36:38じゃなきゃよ、学校に取り込んでやるだろ!
36:40お前、面も教えてくれないでください。
36:41てめえだけだよ、この桜!
36:43聞くんだろ、この野郎!
36:44てめえに言ってんだよ、これ!
36:45早く謝罪を!
36:46桜木先生!
36:48頭が空っぽってのはね、
36:50東大合格の素質あるということ、
36:53最大の褒め言葉なんですよ。
36:54そんなバカあるのよ!
36:57矢島みずの、立て。
37:01早く立て、おら。
37:05この二人、よく見てください。
37:07彼らは今、東大合格に最も近い生徒です。
37:11何だって?
37:12何だって?
37:13そう思ったでしょ?
37:14いや、こんな奴らに行けるんだったら、
37:16自分とこの息子も行けるんじゃないかって、
37:17そう思ったでしょ?
37:19それが大事なんです。
37:21ほとんどの人ってのはね、
37:22勝手に先入観によって、
37:24自らのチャンスをこんなに小さくしてしまってるんです。
37:27こんなバカそうな奴らでも、
37:29可能性は無限大にあるんですよ。
37:31彼らだけじゃありませんよ。
37:36あ、そこ。
37:37君。
37:40そして、金網。
37:43あなたも。
37:44金網だ。
37:46みんな東大合格の素質がある。
37:48本当か?
37:49東大ですって?
37:51ちょっと、龍山さん。
37:53さっきから聞いてるといい加減なことばかり言って、
37:56そういう適当なことばかり言ってたら、
37:58古代宣伝で問題になりますよ。
38:02私は何も合格するとは言ってませんよ。
38:05合格の素質ありと判断してるだけです。
38:08何を根拠にそんなことを。
38:11頭が空っぽというのはね、
38:13今からでもいろんなものを素直に得られるってことなんですよ。
38:16お子さん、
38:17先ほどバンドに熱中してると言ってましたね。
38:20なぜ私が彼を東大合格に最も近いと言ったか、
38:24それは彼もまたずっとバンドに熱中してきたからなんです。
38:27何かに熱中してきた人間というのはね、
38:30これは努力する資質が勝手に含まれてる。
38:33そういう精度が集中すると、
38:35ものすごい力を発揮するんです。
38:37だから、一度東大を目標にすれば、
38:40一年で合格圏内に入るだけの力を秘めてやる。
38:45スーカオがダントツビリじゃん。
38:49それはな、
38:51お前が頭悪い側じゃねえんだ。
38:54単に人よりも不器用だってだけだ。
38:58トランペットだってそうだろ。
39:00最初から器用に吹けたわけじゃねえだろ。
39:03好きで練習を続ければ、
39:05気が付けばガツンと上達したはずだ。
39:09ウサギとカメの話のようなもんだよ。
39:12不器用でスタート出しが悪いからって言って、
39:15それで勝負が負けないわけじゃねえんだ。
39:21不器用。
39:23たったそれだけのことだよ。
39:34今私や指摘した人たちもそうですよ。
39:37きっと勉強以外にスポーツや音楽など、
39:40自分が好きなことにはきっと熱中してきた人たちだと思いますけど、
39:44いかがです?
39:46ですから皆さん、
39:48ぜひ一度、ゆうざん高校に計画に来ませんか?
39:52いつでもいいの?
39:54もちろん、大歓迎ですよ。
39:56あら、じゃあアフレットいただこうかしら。
39:59どうぞどうぞ。
40:01いっぱいありますから、どんどん持って帰ってください。
40:04どうぞどうぞ。
40:06しめかさんもアフレット持って帰ってください。
40:23笑っちゃうな。
40:25俺らが一番広角に近いんだって気がする。
40:29矢島は近いと思うよ。
40:32なんだ、お前だってそうじゃん。
40:36私は前から熱中したことないし。
40:40そいつは違うな。
40:42え?
40:44お前は小さい頃に親父さんを亡くしてから、
40:46ずっと母親の手伝いをしてきたの。
40:50だから?
40:52だからお前は人より早く大人にならざるを得なかったんだ。
40:57そして、いつの間にか自分で自分の希望や夢を捨ててきた。
41:04そういう奴はな、一度夢を持った時には、
41:08いつまでもガキだった奴に比べて、
41:11数段頑張れる。
41:16ま、こいつは柳のじいさんが言ってたんだからな。
41:19受験っていうのはよ、辛い目に沢山あった奴の方が、
41:23最後には勝つってな。
41:31そういうこと言われる?
41:38東大受験やめます。
41:46そうか。
41:49分かった。
42:16頑張れば必ず望みが叶う。